登場人物・用語類
登場人物
月詠ルナ
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主人公。18歳の男子高校生。名前には「月」を冠している。
身長160cm、体重50kg。
群馬県前橋市出身。高校進学後は東京都内で一人暮らしをしている。
幼少期に『銀河鉄道の夜』および『銀河鉄道999』を読んだことで、鉄道と宇宙に強い興味を抱くようになる。
16歳の時、「The Blue Marble」のようなヘッドマークを掲げた列車として東武鉄道の「SL大樹」を目にし、その存在に導かれるように日光鬼怒川地区を訪れる。以後、同地区および東武鉄道を中心に行動するようになり、その過程でアイルと出会う。
普段は物静かだが、物事を論理的に考える癖があり、疑問に思うことを曖昧に誤魔化されるのを嫌う。この性格が後にトラブルを招くこともあるが、真面目で責任感が強く、現場では年上からも一目置かれている。
名前の由来は月読命およびルナ計画。
軽井沢アイル(愛瑠)
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ヒロイン。
20歳の社会人。
東武日光観光開発所属の観光アテンダント。
身長160cm、体重50kg。
栃木県栃木市出身。元は科学者を志していたが挫折し、母・里緒菜と父・エレナの勧めにより18歳で東武日光観光開発へ入社。観光準急列車や鬼怒川温泉大戸旅館で観光アテンダントとして働いている。
観光準急列車への初乗務の際にルナと出会う。その後、母と共に東京を訪れた際にルナの姿に触れて以降、行動を共にするようになる。
明るく人懐っこい性格で、ルナと共に過ごし、ルナと幸せになることを願っている。一方で、微笑みや色気で問題を誤魔化そうとする一面もあり、それがきっかけでルナを怒らせることもある。
のちにルナと共に東武日光観光開発で働くようになり、正式に挙式を挙げ結ばれる。
身体的特徴の一部は母・里緒菜の体質を受け継いでおり、自身でも「母に似た」と語ることが多い。
名前の由来は天照大御神およびアルテミス計画。
横川エレナ
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アイルの父。
身長163cm、体重62kg。
天文学者であり、妻・里緒菜と共に白百合姉妹の営む庄屋で暮らしながら、里緒菜の仕事を手伝っている。
その正体は、2035年のルナの世界から2005年のアイルの世界へ転移してきた存在である。転移直後に里緒菜に拾われ、現在の生活を得た。
元来、両親を持たず、AIL10000型人工知能によって育成された人造人間である。論理と観測によって世界を理解するよう設計された存在であったが、里緒菜と出会ったことで「人の心」を獲得した。
普段は自室である研究室、筑波山観測所、大平山天文台にこもって研究を続けているが、必要に応じて庄屋にも姿を見せる。
研究一筋の生活を送る一方で、実は里緒菜を心から愛しており、疲れた時や精神的に弱った時には彼女に甘えることもある。しかし、自分の弱さを見せることを恥じており、自ら甘えに行くと里緒菜から「明日は雪でしょうか?」と冗談めかして言われるのが常である。
ルナの正体を最初に見抜いた人物であり、アイルの世界へ転移してしまったルナを救うため、表に出ることなく裏で奔走する。
最終局面では、チェスを用いてルナ自身に選択を委ね、自らは“敗北する”という形で未来への決断を託した。これは計算された敗北であり、同時にエレナなりの愛情と贖罪でもあった。
冷静沈着で観測者的な立場を保ちながらも、内面には強い感情と葛藤を抱えており、作中で最も「人間と神の境界」に近い存在である。
モデルは作者自身、および スティーブン・ホーキング。
名前の由来は、作者の愛車HONDA S660および信越本線横川駅。
軽井沢里緒菜
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アイルの母親。
身長170cm、体重60kg。
天文学者であり、白百合姉妹と共に庄屋を営む女性。
長身にして、容姿端麗。眼鏡を掛けたその姿はまさに科学者たるものを持っている。
2005年、大平山天文台にて地球へ接近する彗星を観測中、隕石落下を確認。現地を調査したところ、実験自動車と共に倒れていたエレナを発見し、彼を保護したことが二人の出会いとなる。
情報処理能力に優れ、研究・経営・家事のすべてを高い水準でこなす完璧主義者である一方、酒好きで、酔うと甘え癖が出るという一面も持つ。そのため、エレナやルナを振り回すこともしばしばある。
実は極度の寂しがり屋であり、日常的にエレナに抱きつこうとするが、勢い余ってしまうことも多い。しかしエレナがそれを本気で拒むことはほとんどなく、二人の関係は夫婦でありながらどこか親子のような不思議な距離感を保っている。
人造人間であるエレナに「人の心」を教えた存在であり、同時に、異世界から来たルナを家族として受け入れる母性的存在でもある。
理知と感情、科学と生活、宇宙と家庭を結びつける要として、この物語の世界を現実へと繋ぎ留めている人物である。
尚、ルナは一瞬、SL大樹のアテンダントの石原と誤認するが、石原は身長160cm程度、眼鏡も里緒菜が黒縁に対し、石原は赤縁であり、別人である。
名前の由来は旧信越本線軽井沢駅。
なお、里緒菜・エレナ夫妻の関係性は、信越本線旧碓氷峠区間に由来する。
白百合麗
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白百合姉妹の妹。
身長149㎝体重45㎏。
人形のような容姿を持つ栃木県栃木市の庄屋を営む姉妹の妹。
庄屋を営みつつ、巴波川の水運や巴波川の水流を利用した水力発電所を用いた電力会社も営んでいる。
しかし、肝心の本人は引っ込み思案で、内気で臆病。だが、アイルがルナを怒らせたと知った時は、何も言わず、いきなりルナの乗っている特急列車に飛び乗るという大胆な行動を見せ、エレナを驚かせた。
また、白百合家の跡取りを気にしており、里緒菜と共に無茶な行動を起こした過去がある。
また、姉の鉾根の屈折した愛情表現には少々呆れている。
白百合鉾根
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白百合姉妹の姉
身長158cm。体重60㎏。
白百合姉妹の長女で、15年前に亡くなった父親の白百合京太郎が営んでいた庄屋の名目上の当主。
妹・麗を溺愛しており、その愛情表現は過剰気味である。
しかし、実は自身の身体を癌に蝕まれており、子宮頸がんにより子宮を全摘出したが、転移している可能性を示唆されており、自身の命はそんなに長くないと自覚している。
そのため、庄屋や事業の経営権の大半を麗に譲り、麗を守るために過保護になっている。
霧積博士
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筑波山観測所の天文学者
身長160cm。体重55㎏。
本名、霧積そら。
里緒菜とは旧知の中で、東京の天文定例会では互いに酒を飲み交わす友人関係。
本人の希望と里緒菜の勧めにより、エレナの協力で生まれた一人娘のネルラを育てている。
エレナとは共同で論文を書く研究仲間でもある。
当初、ルナが観測したオーロラ爆発を論文化して学会に提出しようとしたが、エレナが発見した音声データの存在を知り、発表を取りやめた。
用語類
東武日光観光開発
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アイルの世界において、日光鬼怒川地区の観光産業の中核を担う企業。
東武グループと日光市が共同で運営し、鉄道・バス・旅館などの事業部を持つ。
アイルは鉄道事業部観光準急アテンダント課に所属しているが、時折旅館事業部の大戸旅館でも案内業務を行っている。
ルナも後に同課へ所属する。
観光準急列車の機関士と車掌も、鉄道事業部所属である。
観光準急アテンダント
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観光準急「大樹」に乗務し、旅客案内や車内観光アナウンスを担当する職種。
ルナの世界におけるSL観光アテンダントに相当する存在である。
登場する観光準急アテンダントの名前は秩父鉄道の駅名をモデルとしている。
観光準急アテンダント課の上司の名前は鬼怒川上流のダム群に由来する。
AIL10000型人工知能
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東京天文大学糸川教授とJAXA技術者によって開発された有人宇宙船搭載用人工知能。
高度な計算・記録・分析能力に加え、人間と同じ言語で思想の伝達が可能。
後に国に買い上げられ、人工知能による人間育成実験に転用される。
その過程で横川エレナを育てた存在でもある。
また、ルナがアイルの世界へ送る手紙の作成にも使用された。
月探査機「ルナ・パスファインダー」
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JAXAが開発した月探査用無人探査機。
外観は小惑星探査機「はやぶさ」に酷似している。
月面着陸後、砂利を採取し地球へ持ち帰るサンプルリターン計画だった。
H3ロケットとの通信が途絶え、部品の一部がアイルの世界へ落下する。
ロケット本体のその後は不明である。
月面探査ローバー「アイル」
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月面探査用として「ルナ・パスファインダー」に搭載された探査ローバー。
当初は愛称未定だったが、ルナによって「アイル」と名付けられた。
着陸誘導装置として機能する予定だった。
事故により探査機本体より先にアイルの世界へ落下した。
後にルナ・パスファインダーの部品も同世界へ落下する。
オーロラ爆発
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太陽活動の異常により発生した大規模な発光現象。
通常のオーロラとは異なり、激しく動きながら爆発的に拡大する。
超高層大気中に数十万〜数百万アンペアの巨大電流が流れる。
その影響で地上では通信障害や磁気・プラズマの激しい変動が起こる。
ルナとアイルの運命が交錯するきっかけとなった現象。
太陽フレア
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太陽表面付近の磁場変動によって発生する爆発的な増光現象。
「フレア」は火炎を意味し、恒星で起こる爆発現象を指す天文学用語。
大規模なフレアはオーロラ爆発や地球環境への深刻な影響を引き起こす。
電磁気・プラズマの急激な変動を伴う。
アイルがルナに触れた瞬間、ルナの目には太陽フレアとして観測された。




