氷上の銀狼②
すっかり気付けば夏ですね……。
「ギルマスからは、極秘任務の1つとして、お前の事情を聞いてはいるが……、確かEランクって聞いているが……得物は何を使う?……戦えるのか?」
リーダーであるリリアが、バーバラを上から下から往復するように視線を投げながら呟く。
「ダガーです。それと……今日は家に置いてきましたが、眷属と一緒に戦闘します!!」
「ちょっと~~!!リリアったら〜、堅苦しい面接はよしましょうよ~~。私は歓迎よ。バーバラちゃん可愛いもんっ」
そう言って、ロージーがバーバラを後ろから羽交い締めするように、抱きついてきた。仄かに甘いいい匂いがする。
「だから!!ロージーはくっつき過ぎ!!」
「そうですよ。ほら~~。バーバラさんが、真顔のまま固まってるじゃないですか。ふふふ」
マリーとナミがたしなめると、渋々といった具合で、バーバラはロージーから解放された。
「でも!リリアの意見も分かるな〜。戦闘になった時に、どのくらいの実力なのか、私も知っておきたいかも!!じゃないと、バーバラちゃんを守るにしろ、お互い連携とれないと危なくなっちゃうもんね!!」
腕を頭の後ろに組み、ニカっと笑いながら、マリーが言うと、ナミも
「確かにそうですね……。バーバラさん、今はどの辺りで活動してるんですか?」
「えっと……、最近だと、白塔の迷宮に」
「あら〜〜、懐かしいわね~~!何階に??」
ロージーが何かを懐かしむ感じで聞いてきた。
「……まだ2階までしか………です。」
「………2階か」
リリアが真顔のまま、ボソッと呟く。
A級のパーティーからしてみれば、バーバラの実力は雲泥の差がある。
まだまだE級のバーバラは3階までが推奨されている範囲だ。
やっぱり、いきなり無理があるよね…。
でも、今をトキメク白銀のメンバーに直接会えたのは、いい記念だと思おう!!
そう心の中で、自分を慰めていたら……
「明日、白塔の迷宮に潜る」
暫く黙っていたリリアが突然宣言すると、他のはメンバーも「いいね〜」と賛同しだす。
ぇっ!!えっ!??
今、なんてっ??明日?白塔の迷宮に行くの?
「そういうわけだ。明日、朝イチで潜れるようにしておけ。ダンジョン前に各自集合でいいな?」
そう言って、リリアはクルッと後ろを向いてスタスタと立ち去ろうと歩きだして、行ってしまう。
「えっ!!?」
いきなり話がトントン決まり、バーバラは唯でさえ緊張してる為、頭が回らない。
「バーバラちゃん、良かったわね〜。それじゃ!明日ねっ」
妖艶なウィンクを残し、ロージーも後を追う。
「遅れるなよ〜!!」
そう言ってバーバラの肩をバシっと軽く叩いて、マリーも駆け出した。
「バーバラさん。すみません、言葉足らずなリーダーで……。バーバラさんの実力を見てから決めるみたいです。明日はよろしくお願いしますね。ふふ」
ナミもバーバラに優しく声をかけて、皆の後を追って行ってしまった。
1人ポツンと、バーバラだけが残された。
あ、嵐のような一時だったなぁ〜。
まるで、さっきまでが夢であったかのような、そんな気持ちになる。
「はっ!!準備しなきゃっ!!」
バーバラは我に返ると、急いで明日への準備に取り掛かる。
この前は、ダンジョンに潜る準備で買い出しに出かけたが、ギルドでの噂話を聞いてしまい、バタバタして買い出しが終わっていなかった!!
まだ時間はお昼前だ。
今から店を巡れば、どうにか間に合いそう!
ついでにクロのジャーキーと、グリモに可愛いヘアピンを購入して帰路についた。
汗をかくのに痩せないのは、何故か!!
永遠に解けない謎だと思う、今日この頃!!
熱中症に皆さんご注意を〜




