氷上の銀狼①
す、すみません。本業のほうが多忙になり、更新が遅れました。
「えっと……パ、パーティー……ですか?」
「あぁ。そうだ。このままソロだと目立つが、パーティーなら隠れ蓑になるからな。」
ニカっと悪そうな笑みをみせる。
「ちょうど、メンバーを募集しているAランクのパーティーがいる。嬢ちゃんでも"氷上の銀狼"って聞いたことぐらいあるだろ?」
「えっ!あの有名な!!」
氷上の銀狼っていえば、この辺りで1番勢いがある冒険者で、異例の早さでグングンとランクをあげている話題の女性パーティーだ。
氷上の銀狼って名前は、リーダーの風貌をまさに言い当てていて、輝くような銀色のストーレートの長髪が、闘う最中もキラキラと美しくなびき、どんな事に対しても滅多に表情が変わらない、絶対的な美女だ。
そんな長剣使いの孤高の美女リーダーを取り巻くのは、エルフ属の年齢不詳の弓使いの美女、明るく笑顔が素敵な猫獣人の武道家。そして……確か、ほんわか清純派美女の人族の魔法使いがいたはず。
えっと…………、ここに、私が??
冒険者としての実力もそうだけど……この美女軍団に加わるには、色々と私だと、足りないものが多すぎる気がする。
自慢じゃないが、私の容姿はいたって普通そのものだと自負している。
絶対に、何故あのレベルの娘がっ!!って思われるの必須のやつだ!!
いや…、嬉しいよ?だって今をトキメク憧れの冒険者パーティーだもん。
「えっと……本当に?銀狼に私がっ??」
訝しげにギルマスに問うと
「まぁ、彼奴等との顔合わせしてみて、お互いに良ければだがな」
それはそうだろう…まずは銀狼メンバーと私との相性もあるし、何せ相手はAランクだ。決定権は向こうにある。
もし銀狼メンバーに入れて貰えるなら、またとない機会なのも確かだ。実力者と一緒に冒険することで、私自身の大きな成長になるだろう。
「銀狼には俺から提案しておくが………そうだな、2週間後にまた来てくれ。嬢ちゃん!!いいかっ!!それまで、くれぐれもっ、どーーーかっ、妙なことするなよっ!!いいかっ!!くれぐれも!!」
「は、はい。よろしくお願いします!!」
銀狼のメンバーに推薦されて嬉しい反面、複雑な苦笑いになってしまった。
どうにも、ギルマスからは、コイツ目を離すと、絶対に何かやらかすだろう…っていう疑いの目で見られている。
でも…不可抗力っていうか、クロにしろ、聖女にしろ、全ては『洗濯スキル』っていうスキルなんだけど……。洗濯ってなんだろ〜って思うこの頃。
「お前が噂の聖女か」
無表情の美女に見つめられ、問い詰めるように発せられた言葉に、バーバラはピギッと動けなくなっていた。
こ、この人がA級の冒険者『氷上の銀狼』リーダーのリリアか………確かに美女に凄まれると迫力が違う。
「あら〜随分と可愛い娘ね」
そういうエルフのロージー嬢は、バーバラの頬を、ツーと綺麗な指で優しく撫でた。
「ちょっと!2人とも!怖がってるじゃない!!」
同じ獣人であり、武道家のマリーがバーバラを庇うように抱きついてきた。
アワアワ〜!!バーバラは余計にパニックになり、挨拶どころじゃない。
やりとりを穏やかに、クスクスと笑って見ているのが、魔法使いのナミである。
これがバーバラと氷上の銀狼との初顔合わせだった。
お読み頂きありがとうございます。
なかなか更新出来ずにいますが、温かい目で、どうぞ、よろしくお願い致します。