相談しよう
そうだよね……聖女だとバレないように、気を付けて行動しなきゃだけど。
でも!もしまた目の前で、ポポロとサーヤみたいな場面に出会ったら、私……きっと同じように助けちゃうだろうなぁ〜。
能力のこと、誰にも内緒にって思っていたけど、ここまで噂になってるのなら、ギルマスに相談しておいた方がいいよね。
私は早速、受付にギルマスの取り次ぎをお願いした。ご要件は?と言われ、ちょっと困ったけど、王都での追加報告にって事にした。
暫く待つように言われた後、ちょうど隙間時間があるらしく、短時間でも良ければと、ギルマス室に案内された。
「よう。お嬢ちゃん元気だったか?今日はどうした?」
相変わらず厳つい見た目だが、人当たりが良さ滲み出ている。
「ギルマス。ご相談がありまして……、今噂の聖女についてなんですが……」
おずおずと、バーバラが話題を切り出した。
「あぁ聖女様か。もっぱら噂になってるな。何か知ってるのか?」
「……………それ、たぶんですが……………私でして」
「はぁぁぁぁぁぁぁぁあああああ!!!??」
ガタっと椅子から立ち上がり、私を指差したまま震えて上がっている。
「お、お、お嬢ちゃん!!何を言い出すかと思えば!!冗談じゃっ……………………ねぇんだな」
バーバラの真剣に訴える目を見据え、どうやら本当だと確信したらしく、ドスンと椅子に座り直し、上を仰いだ。
「………まぁ。そうだよなぁ〜。グランドウルフを眷属に出来るくらいだ。…………聖女もアリだよなぁ………。はぁ……マジかぁ~~」
ガクリと今度は下を向いて、項垂れてしまった。
「なんか……スミマセン」
申し訳なさそうに、バーバラがポリポリと頬をかく。
「んで……。どういった経緯だったのか真相を話してくれるんだよな。もうこれ以上、後出しは勘弁だからな!!」
そう言って、ギンと凄んだ顔をバーバラに向けた。
「は、はい!!勿論、全部話ます」
ビシッと姿勢を整えて、バーバラが応えると、ナバル様との実験で秘密にしたことや、今回のサーヤ達との出会いのこと、洗いざらい話をした。
「ハァ………まぁ、秘密にしときたい気持ちも理解出来るが、………聖女なぁ〜。お嬢ちゃんが、……聖女かぁ……」
話をすればする程、深く項垂れていくギルマス。
「スミマセン……隠してて」
へニョリとバーバラの耳が垂れ下がる。
「いや。早めに話してくれて助かった。他に知られたくないのも分かるしな」
手を組み額に当てて暫く熟考していたギルマスが、何か思いついたみたいに顔をあげた。
「嬢ちゃん!!パーティーを組むつもりはあるか??」
ほぇ?パーティー??
お読み頂きありがとうございます。
何だかんだと、新年度もバタバタしております。
遅くなってスミマセン……。