ダルジアン武器屋
研究所から辻馬車に乗り、王都の中心街に移動した。
馬車の中では、バーバラはグリモが、如何に可愛いのかを熱弁していた。
レオンの近況も聞いたら、王都の騎士団で5次元スキルの検証を行っていたみたいだ。やはり歴代初めてのスキルらしく、今後も定期的に検証が必要になるだろうと言うことだ。
前回バーバラがみたレオンが召喚されたのか聞いたら、何故か怒られた。……以前にからかい過ぎたことを根にもってるのかなぁ〜。
王都に来る時にも思ったがが、王都の街は、建物と人と……とにかくいっぱいで、バーバラの街と全然雰囲気が違っていて華やかで賑やかだ。
「わぁ…何処も凄い活気があっていいね」
「迷子になるなよ」
そう言って、レオンが手を繋いできた。
(なんか……デートっぽい……。)
グリモが言っていたことを思い出し、レオンとデートしてるみたいだなぁ〜って、ちょっとドキドキするバーバラであった。
ぶらぶらと歩きながら気になるお店をウィンドショッピングした。何も買わなくても、色とりどりの商品を見るだけでテンションがあがる。
そして、お目当ての武器屋に到着〜!!
「ダルジアンの武器屋」
おぉ〜なんか名前からして格好いい〜!!
早速中に入ると、店員らしい人族の、かなりガタイのいい髭面のオジサンがジロリと見てきた。
「ここはお嬢様の冷やかしの場所じゃないぞ。」
「ムムム。これでも私、冒険者です!!」
「………そんな格好でか?護衛まで連れて、どっからどう見ても、いいトコのお嬢様だろ、あんた。」
呆れたような蔑むような顔で言われて……
バーバラは自分の姿を見てみると!確かに……今日の格好は、冒険者に全くみえない。
護衛って……レオンのことかな?
バーバラのお洒落姿は、お嬢様と言われちゃう感じに可愛いらしいみたいだ。
(あとでグリモに、お嬢様に間違われちゃったと報告しなくっちゃね〜)
ムフフとバーバラが照れて見せたら、今度はヤバいヤツだと認識するような顔をされた。
コホンと咳払いをして、バーバラは言った。
「ダガーをみたいんだけど」
「…………ダガーなら右の奥の棚だ」
まだ納得行ってないみたいだが、詳しい場所を教えてくれた。
レオンを引き連れて、言われた所に行ってみると
「わぁ〜いっぱいあるね!!すごい!!」
そこにはダガーがズラリと並び、刃の長さや形状、グリップの大きさや形、色も様々だ。
「買い替えたいのか?」
「ん〜……ちょっと悩んでるんだよね。」
そう、今は一本で戦っているが……、二刀流のスタイルに変えていきたいと思っている。実際の戦闘中に受けと攻撃の両方が出来たらいいなと。
バーバラがダガーを物色していると、店の奥から髭と髪がモジャモジャで、それこそライオンみたいなドワーフが出てきた。……ドワーフ族の人に初めて会ったけど、小さくてズングリしてるのね。
「お嬢ちゃん何かお困りで?」
「今使ってるダガーの相方があればなーって」
「今のはどんなの使ってるんだい?」
「えっと〜」
そう言って、バーバラはワンピースをめくり、大腿に括り付けてあるホルダーからダガーを取り出した。
「お、おい!!何してる!!」
レオンが慌てて、バーバラのワンピースを直した。
「な、何って……ダガーをとっただけだよ〜」
「足がみえるだろうが!!」
「えーー!!だってそこにしかダガー付けられないんだから、しょうがないじゃん」
「……やっぱり、スカートは禁止だ!!」
「ホッホッホ〜。お嬢ちゃん、素敵な彼氏がおるのぉ〜」
ニコニコと顎の髭を撫でながら、レオンを彼氏と勘違いしているみたいだ。
「どれどれ〜……ほぅ、今のダガーはだいぶ年季が入っておるのぉ〜。大切に使ってるのが分かる。お嬢ちゃん、手を貸してごらん?………!ふむふむ。これなんかどうじゃ?」
バーバラの手を取り、眺めたり、握ったりした後、商品棚から一本のダガーを渡された。
「これですか?」
いつも使っているダガーよりも長さがあり、それでいて鋭く細めな剣先だ。
「いつものダガーとの相性も抜群だと思うぞ。ほれ振ってみなさい」
そのダガーを持つと、手にしっくりと馴染み、重さやグリップの感触も違和感がない。まさにバーバラの為にあるような一本だった。
「…、!すごい……!!扱いやすい……!!」
「ホッホッホ、わしが作ったんだから当然じゃ」
「えっ!!?貴方が?」
「そうじゃぞ〜。もしそれを買うなら、今のもあわせて、今後もメンテナンスしてやるが、どうする?」
「!!いいんですか??」
「あぁ。お嬢ちゃんは愛剣を大事に扱うのが分かったからの〜。作る側も冥利に尽きるってもんだ」
「か、買います!!」
「おう。大事に使ってくれよ〜。何かあればいつでも言ってくれ」
バーバラは即決して、購入を決めた。ホクホクした気分で先ほどの店員まで会計をしに持っていくと、バーバラの後ろから付いてきたドワーフ族の人に
「か、会長!!」
ペコペコと挨拶を始めた。
「え?!!会長?!!」
バーバラ達にはニコニコと笑っていたが、店員に対しては「ちゃんと相手の手を見ろと言っているだろ」と注意していた。
なんでも武器を扱う人は手に特徴が出るそうだ。剣や弓矢など、武器によって全然違ってくるという。人の見た目より、手を見れば分かるってことらしい。
ドワーフ族の人は、ここの武器屋の会長さんらしく、名のしれた武器職人でもある偉い人だった。そして会長さんが「ダルジアン」って名前なんだってさ。
今日はたまたま店に寄ったら、可愛いお嬢ちゃんが居たから声をかけたと、大層バーバラのことを気にいってくれたみたいだ。
「ホッホッホ、気にせずいつでもおいで」
そう言って、バーバラ達を気さくに見送ってくれた。
早速素敵なお買い物が出来てバーバラはホクホクだった。
「会長さん、いい人だったね〜」
「……相変わらず人垂らしだな。」
「えへへ~。これも人徳ってやつかな?」
手を頭の後ろに回して、えへへと笑うバーバラの額をパチンとデコピンされた。
「いったーー!!」
「ほら、次の店にいくぞ」
そう言ってスタスタと、どんどん先を歩いていくレオンに、バーバラは小走りで追いかける。
「もう!!レオンのいじわるめーーー!!」
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