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6〜Lue

 翌朝、リドルはもうひとつの仕事に行く前に、俺に紙袋を渡してきた。


「八木が忘れて行った。

お前が、カーリーに渡してくれ」


と言って、出かけて行った。


紙袋の中身は、カーリーが昨日脱ぎ捨てた黒いパンティだった。

アイツ、こんなの履いてるんだ。


 お昼近くに、スタジオに行くと、Scream of No Nameの曲が聴こえてくる。

ベースの音も聴こえてくる。


しばらく外で聴き入っていると、カーリーが出てきた。

いつもの伏せ目がちのカーリーだ。


「はい、これ」


と言って紙袋を渡すと、

カーリーは「何?」と言って中身を見て赤面した。

そのまま紙袋をゴミ箱に乱暴に投げ捨て、去って行った。


 向かっている場所はわかっている。

いつもの森のテーブルだ。


ドーナツとコーヒーを2人分買って、カーリーの隣に座る。


「俺は、16歳だった」


なぜか、俺はカーリーに簡単に自分の事を話し出した。


「もし蓋が開いてモンスターが出てきたら、俺が蓋を閉める手伝いをしてやる」


そういうと、カーリーが言った。


「蓋の閉め方教えて!

そうすれば、私もルーの蓋閉められるかもしれない」


俺とカーリーは、同じモンスターを抱えた似た者同士。

そこが、抱けない理由だったのかもしれない。



「知ってる?

リドル、俺たちのことクリチャーって呼んでるの」



俺がそう言うと、

カーリーはおもむろに俺のシャツを捲り上げ、

俺の背中のクロスのタトゥーを覗き込んだ。


「やっぱり、そうだったんだ。

私このタトゥー大好きなんだよね。

いつも、壁の写真見てた。

繊細で、魔性もあって、優しさも持っている」


「俺も、お前の木のタトゥー好きやで。

神秘的で、畏れと安らぎが同居している。

これを背中に背負ってるお前と、これを掘ったリドルの情熱が伝わってくる」



「やっぱり、リドルがクリチャーのボスじゃん」



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