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5〜Lue
俺は、またベッドで聞き耳を立てるしかない。
八木は、初めのうちは興奮していたが、そのうち、涙を流していたようだ。
ふたりで、カーリーが話していた事や今後起こり得る問題や自分達にできる事の話をしていた。
みんなに愛され、この状況にそばにいてくれる仲間達がいるカーリーが羨ましく感じた。
俺は、あの時ひとりだった。
どうやって、あの頃やり過ごしていたのかすら覚えていない。
今だって、いつ蓋が開いてモンスターが出てくるかもしれない。
そんな時、わかってくれるのはリドルだけだ。
カーリーに嫉妬さえ覚えた。
八木は、カーリーがバスルームで脱ぎ散らかした濡れた服を袋に入れ帰って行った。
少し動き出したことに安堵したリドルと、カーリーに少し嫉妬した俺は、その夜久しぶりに、いつものぎこちないセックスをした。
その後、八木がスタジオに帰ったら、カーリーは久しぶりに寝息を立てて眠っていたらしい。