2〜Kerly
しかし、肝心な部分には触れていないとして、ジェンダーの問題はいつまでも続く。
次のそのTV番組出演まで。
さらには、その頃交友関係が広がった事で、お酒を飲む場所も変わって行った。
路地裏の小さなパブで飲んでいた私たちが、お洒落なクラブとかにも行くようになり、業界人のパーティにも呼ばれるようになっていた。
その頃から、レイちゃんとショウくんの女性関係が、よくネットに上がっていた。
レイちゃんは、10歳年上のモデルや不思議ちゃんタレントとの関係とか、時には、女の子2人お持ち帰りとか。
ショウくんも、若手の女優の子と付き合っていて、しかもショウくんの浮気が原因で別れたとか。
私も、女の人とのキスをネットにあげられたりとか、
そっちの方でも話題になってしまっていた。
私たちが有名というわけではなく、名の知られた著名人のおまけとして名前が出るというだけだ。
「有名税ってやつなんちゃう?」
って、ルーは笑うけどだ。
私たちの、
TV番組での生意気発言や、
近付いてくるカメラに中指立てる写真や、
パブでだらしなく酔っ払った写真が、
次々に世に出てしまう。
音楽より先に。
「放っておけばええねん。
どちみち悪い事しか書かれへんのやから」
って、ルーは言うけれど。
そのうち、ボーニー(ガリガリ)モンスターとかタイニーモンスターとか言われるようになった。
たしかに、あの頃、1日のほとんどを音楽に費やし、それ以外と言えば、酒を飲んでいるか、馬鹿騒ぎしているか。
そんな私たちだった。