6〜Lue
「俺がリドルと寝たこと、怒ってるの?」
「怒ってはいない」
「嫉妬とか?」
また睨みつけられる。
少し沈黙の後、
「私にはよくわからない。
リドルはあなたがくる前から、男の人や女の人と出かけて行って帰ってこないことはよくあった」
「リドルってそういう所あるよな?」
「あなたの時もあったの?」
「誘われたら断れないって」
「同じ事言われた」
「結局、悪いのはリドルだな」
「どうして、そんな事言うの?
リドルはいい人だよ」
「そんなことわかってるよ」
「私には手の届かない人かなって」
「そんな事ないだろう。
タトゥーのお客さんとは基本寝ないって言ってるリドルに選ばれたんだろう」
「私は6人目だって」
「俺も6人目って言われてたけどな」
「やっぱりリドルが悪いね」
「でも、あの人、いつも淡々とそう言うこと言うけど、優しくていい奴だよ」
「そんなことわかってるよ」
なぜか、取り合っている男の悪口なのか褒め合いなのかで、少し打ち解けた俺たち。
身近な仲間ですら扱いが難しいカーリーを観察しながら、押したり引いたりして、少しずつ俺はカーリーに受け入れられてきた。
そんな矢先に、これからの激動の日々のきっかけとなる事件が起こった。