5〜Lue
カーリーは、明らかに俺を避けている。
俺の計画は一向に進まない。
もどかしい。
ジェームズも映画化の話に乗り気なので、協力してくれる。
ジェームズを交えて3人で会ってみるが、下を向いたまま、話そうとしない。
酒を飲ませると人が変わるから、そこを利用するしかないと言い出す。
しかし、
俺への警戒からなのか酔えないと言って、リドルの所に行くか、男を漁ってお持ち帰りして去っていく。
見るから変態オヤジをお持ち帰りしようとしているカーリーから、そいつを引き離し、
「君は、自分を下げてるつもり?
あんな奴リドルの代わりにならないだろう?
俺への当てつけ?
それとも、自分への罰?」
なぜか俺は、そんなことを言ってしまった。
思い切り腹を殴られた。
ある日、森のいつものテーブルにカーリーがひとりで座っている。
リドルをもう一つの仕事に送り届けた後だろう。
ドーナツのほとんどを、ちぎって小鳥に与えている。
俺は、カーリーと自分の分のドーナツとコーヒーを買って、テーブルに座る。
カーリーの目の前にドーナツをかざす。
立ち去ろうとするカーリーに、
「少しだけでいい。俺の話を聞いて欲しい」
そう言うと、不機嫌な顔で座り直した。
「リドルのこと好きなん?」
鋭い目で睨みつけられる。
「英語で話してもらえませんか」
と英語で言ってくる。
「そういえば、君たち日本人同士でも英語で話してるよね。なぜ?」
「英語が下手だと言われるから、日本語使わないようにしてる」
「俺も下手やで」
「私たちと話す時は、英語で」
とりあえず、他愛のない話はできた。