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9〜Riddle

 クロスのタトゥーは、当初のルーの印象から、華やかな世界で活躍する悪童を少し柔らかく見せられればと思って、ポップな要素も入れたかった。


しかし、打ち解けてきて、体の関係を持つようになってからは、ただ美しさと繊細さにこだわった。


今、ルーの闇に触れて、このクロスは墓になりつつある。

闇を葬って、新しい何かを育ててやりたい。

墓の下の部分から芽吹いた蔦を絡ませる。


 次の仕事が迫っていたので、時には一日掛りで掘ることもあった。


完成したタトゥーを見た時、今まで感じたことのない感情が込み上げた。



俺は、なんて美しいクリチャーを作ってしまったんだろう。



自分で言うのもなんだが、ルーの美しさを、より一層引き立たせてしまっている。

これで良かったんだろうか?

後悔すら覚えた。



 その後、ルーは次の仕事の為フランスに帰って行った。

それでも、時々訪ねてくる。


そして、ルーは1年後、やりたいことを見つける為に、俳優業引退を宣言する。

それでも、パパラッチに追いかけ回される為、親戚を頼って日本に行くと言う。

その報告に来たのが最後だったので、3年ぶりの再会だった。



 奇しくも、久しぶりに作り出してしまったクリチャーに会う為に。



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