6〜Riddle
お互い忙しく、予約がなかなか取れないので、時間外でやるしかなかった。
翌日までに図案を考えるが、見切り発車になりそうだ。
もう少し、アイツを知りたいし。
お互いの仕事の後、一緒に食事をすることも多かった。
俺があれこれ聞くのを、ルーは最初敬遠していた。
クロスのタトゥーは、アイツの心の負担を減らすべく、少しポップ要素の入った精美さを出したい。
でも、それはとても繊細で時間がかかる。
「細かい作業が多いから、時間かかるぞ。
2ヶ月位かかるかもな。
大丈夫か?」
「今の撮影が終わったら、少し休暇をもらえるはずだから、いいよ」
ルーに、服を脱ぐよう指示し作業台にうつ伏せに寝てもらう。
背中に図案を貼り付けて、写真を撮り見せる。
俺がお任せと言ったせいか、何の意思表示もない。
最終確認して、掘り始める。
掘っている間のほとんどを、コイツは眠っている。
余程疲れているのか。
休憩を入れながら、1、2時間程作業をする。
眠っていたコイツ起こし、スコッチを勧める。
バスローブを着せて、少し話す。
コイツは歳の割にガキ臭い。
大人の中で翻弄され酷使され、子供のままここまで来てしまったんだろう。
俺の人を読む悪い癖を刺激する。
週に1、2回時間外でやってきて、2時間程作業をする。
少しずつ、ルーは心を許してきた。