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3〜Riddle
このタトゥーを掘り出した1ヶ月前から、カーリーがこんなに豹変していたとは気付かなかった。
ほぼ毎日会い、何度も抱いたからかもしれない。
俺が一番その変化に気付かなかったのだろう。
その体に、その顔に、変な色気が出てきて、あの木のタトゥーが一層幻想的で神秘的になってしまった。
3羽のフィンチで、少しメルヘン要素を入れるしかなかった。
俺は、とんだクリチャーを作り出してしまったことに、後悔すら感じた。
この娘は、こんなタトゥーを背負って大丈夫だろうか?
タトゥーを掘り終えてからも、カーリーは時々やって来る。
本を借りに来るか、酔って俺のベッドに潜り込んでくるかだ。
そんなある日、ライブの打ち上げで酔ったカーリーから、アミアのパブに飲みに来ないかと電話があった。
翌日のもうひとつの仕事の資料を読んでいたので、とりあえず迎えに行ってやることにした。
入り口に着くなり、酔ったカーリーは抱きついてキスしてきた。
睨みつける八木に、挨拶代わりに肩をすくめてみせた。
その時に、いる筈のない懐かしい奴が目に入った。