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12〜Riddle
「リドルは死にたいとか思ったことないの?」
「俺は生きるのに必死だった。
君はあるのか?」
「わからないけど、いつの間にか川に吸い込まれたことはあった」
「死のうとしたのか?」
「どうかな。
でも、その後は死んだも同然だった。音楽に出会うまでは」
「生きてて良かったな」
「でも、いろんな物が川に流されちゃったんだろうね。
なかなか上手く生きられない。
時々、ふっと、そっちに行っちゃう時もある」
八木が言っていた、ギリギリラインか。
「まだ、自殺願望はあるのか?」
「自分で死んじゃいけないとは思ってる。
どうにでもなれって感じ」
「危険で不毛なセックスも、そのせいか?」
「それは、どうかな?」
「何かの罰か?
背中の傷と関係あるのか?」
「わからない」
母親からの虐待。
性に関することか。
そのせいなのかもしれないな、その姿は。
「君は、自分に罰を与えているつもりなんじゃないか?
それは間違いだよ。
好きな人と気持ちいいセックスだけをしろよ」
そういえば、俺も、マリーにそんなことを言われていた。