3ーRiddle
この夜、俺はマリーの家に泊まって、久しぶりに熱い夜を過ごした。
マリーとは、学生時代2年程一緒に暮らしていた。
それで言うなら、ジョンとも一緒に暮らしていたことがある。
お金がなく、俺を拾ってくれたタトゥーの師匠が病気になり、寝泊まりしていたスタジオがなくなる時、ジョンが俺に地下室を提供してくれたのだ。
マリーは一度他の男と結婚したが、2年と持たず離婚した。
その後また、俺たちは付き合い始めたが、結局上手くいかなかった。
俺が、すぐに気持ちを読んで先回りするからだ。
でも、時々飲みに行っては熱い夜を過ごしている。
親友+αみたいな存在だ。
朝帰りをして、コーヒーを淹れて、新聞を持って、いつもの森のテーブルに行くと、カーリーがいた。
こっちに背を向けて、鳥をみていた。
俺の足音に気がついて、振り返る。
「朝帰りだね?」
「なんだ、バレてたか!」
「女の匂いがする」
「鋭いな!」
「どんな人?」
「昔の恋人だ。妬いてるのか?」
「そんなことないよ」
でも少し唇が尖っている。
「だって、私なんかの物になるわけないもの」
「そんなことないぞ。
俺は、今お前のことで頭がいっぱいだ」