2〜Kerly
※タイトル名のわりに、(表現的にはかなり控え目にしましたが)きつい内容の部分もあります。
酒、煙草、タトゥー、性表現、性描写、性犯罪(レイプ、性的虐待)、暴力などの記述があります。
この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません。
母からの虐待、小6で自殺未遂。
そんな私は、ずっと心を閉ざしていた。
いつも、消えてなくなりたいと思っていた。
その頃のことは、学校の床と机の模様しか覚えていない。
でも、耳だけは情報をキャッチしていた。
学級委員長の杉崎くんがバンドを始めた事、
田中くんと今井さんが付き合っている事、
内海くんがいじめられている事、
クラスのことは耳からの情報で、少しはわかっていた。
でも、レイちゃんショウくん以外誰一人顔を思い出せない。
そこに、私はいない存在だと思っていた。
いつ死んでもいいと思っていた。
でも、中2の夏、私はロックに出会った。
生きてて良かったって思った。
それからは、音楽のことばかり考えていた。
そして、
音楽を続けられるよう成績をキープする為のお勉強も頑張っていた。
大切なバンドメンバー。
私たちに愛情を注いでくれる周りの大人達。
音楽で食わせてやると言ってくれるボス。
いつも協力してくれる仲間達。
私には、やっと存在価値があるような気がした。
なのに、私はやらかしてばかり。