4〜Riddle
「カーリーとヤッたことで、俺に不満でもあるのか?」
「っていうか、アイツに何したの?
アイツが、あんなに腑抜けになってるの初めて見たし」
また質問返しだ。
この子は賢く立ち回れるのに、怒りに任せて喧嘩っ早いのはなぜだ?
「普通に優しくヤッただけだ」
「優しくか!そこだな!
アイツの今までのセックスは悲惨だからな」
「どんな風に?」
「アイツに聞けよ」
「そうだな」
レイはカーリーの事をよく把握している。
すると、突然、
「アイツは、恋愛とか縁がなかった奴だから、どう出るか、俺たちにも見当がつかない。
たぶん、本人もな!」
「それは、誰にでも起こり得ることだ」
「でも、アイツは普通じゃないから」
「普通じゃないとは?」
「執着しているものには100で来る」
「例えば?」
「俺たち。
俺たちの為なら死ねるんだって、アイツ」
「それを言われて、君はどう思った?」
「背筋が凍り付いたよ。
気がついたら、ぶん殴ってた」
「そんなカーリーをどうしたい?」
「どうしたいって言われても」
「普通に近づいてほしいか?」
「アイツのそんな部分が、俺たちのバンドの一部でもある。
俺たちは3人で、いやボスの八木さんも含めて4人でがっつり組み合っている。
アイツのそういう部分がなくなったら、Scream of No Nameは違う物になってしまう」
レイは、明らかに、このバンドの中核だ。
カーリーに、情と益の間で複雑な思いを抱いている。