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2〜Riddle
翌々日、俺のタトゥースタジオにレイが来ていた。
マテオが、前のお客さんで押していて、待合室で待たされている。
「こんな時間に珍しいな」
「カーリーが使い物にならなくて、今日は練習中止だよ」
「使い物にならないって?」
「カーリーとヤッたんだろ?」
この子は、相手が誰でも臆さない。
「俺のせいか」
「感情ダダ漏れで、気持ち悪いくらいだよ」
カーリーには、あの日の事は、逆に刺激的だったのかもしれない。
「レイ!今日は何入れるんだ?
見せてみろ」
と言って、服を脱がせた。
レイは、胸に、ライオンの顔とPRIDEの文字。
背中には、怒り、喧嘩、不協和音、情熱、ドラム等、まるで、この子の取り扱い説明書の如く文字が入れられている。
そして、左腕の内側にはカーリーと同じくバンド名が入っている。
「今日は、右の二の腕に、ドラゴンを巻きつけてもらうことになってる」
「暇潰しに、俺がやってやる」
「マジで?」
満面の笑みに変わった。