12〜Riddle
その背中を、無言でしばらく抱いた。
「終わった後で、こんな風に抱きしめられたり、話をするって初めて」
「初めては、いつ?」
「3、4ヶ月前かな」
「で、俺は何人目だ?」
「うーん!10人目かな」
ロストバージンして間もないのに、ほぼ毎週のように、誰か違う奴とヤッているのか?
「記念すべき10人目で、君を初めてイカせた男か!光栄だな!」
「えっ!私なんかだよ」
「どうして?そんな風に思うの?」
その時、カーリーの電話が鳴った。ベッドから出て、上着のポケットからスマホを取り出し、電話に出る。
「大丈夫!」
「ごめんなさい」
「今帰るね」
そう言って電話を切った。
「送って行くよ」
二人で服を着る。
公園をショートカットすれば、彼らのスタジオまでは10分足らずだ。
スタジオに着くと、彼らのボス八木とバンドメンバーのレイとショウが1階のホールで待っていた。
カーリーは、レイとショウに攻められている。
心配され、愛されている故だろう。
八木が、俺に外に出るように促す。
「あの娘とヤッたのか?」
「あの娘は、もう大人だ」
「あの娘は、普通の子とは違うんだ。
ギリギリラインで生きているんだ」