5〜Riddle
俺もよく行くパブだ。
この店の共同経営者でありバーテンダーでもあるアミアとは旧知の仲だ。
彼女は、女の子特にジェンダーやセクシャリティに悩みのある子達からの信頼が厚い。
自らも、レズビアンだ。
「ハイ!リドル!
珍しいわね、土曜日なのに」
「今日は、カーリーの招待で、彼らのライブを観に来て、打ち上げにも呼ばれたんだ」
「カーリーが?」
「今度、彼女にタトゥーを掘ってやるんだよ」
「あなた自ら?珍しいわね!」
「興味がわいてね、あの娘に」
「いい子よ!酒癖は悪いけど。
男の子かと思ったら、急に女出してきたり、
物静かなのかと思ったら、凄く饒舌になることもあるし、
子供っぽい喋り方で一見バカなのかと思ったら、めちゃくちゃ賢い子だし。
両極端で掴みどころのない子よ」
「そのようだな」
アミアと話をしていたら、カーリーがやってきた。
カーリーは、すでにかなり酔っていた。
「アミア!今度ね、私、リドルに、タトゥー、掘って、もらえることに、なったのー」
タトゥースタジオにいた時の人見知りな彼女とも、
ライブで観客を魅了していた彼女とも、
全く違うカーリーが出てきた。
いつもよりトーンの高い甘えたような声だ。
この娘の本性は、どこにあるんだ?