第57話 人間界攻略
「まず魔法使いを仕留めて!」
紅桃のライトニングが疾風の十文字槍が敵後衛の魔法使いを攻撃する。
「大火災!」
魔法使いの杖から大きな火球が生まれ炸裂する。
「うぉお回復ポーション!」
ぽぽいと回復ポーションを受けたダメージが大きぃ疾風と心ちゃんに向けて投げる。
「せいっ!」
心ちゃんが魔法の杖と称するメイスで前衛の戦士をぶん殴る。うん。ヒットしたところが陥没している。間違いなく鈍器だね。
「ダークライトニング!」
ペンタントちゃんの杖から黒い稲妻が走り前衛の両手剣の戦士にヒットする。
前衛の戦鎚の戦士が疾風に殴りかかる。
「ぎゃん!」
人間界に来たときデュロックと入れ替わったチビが胴に一撃を貰って吠える。
すかさず中級回復ポーションを投げて回復させる。鈍器の一撃が重い。
「にゃあ!」
すかさずチビが切り返すと、マネキンの右腕が切り飛ばされる。
悲鳴をあげない血が出ないというのが非現実的というかなんというか・・・
「裡門頂肘!」
紅桃が震脚で踏み込んで肘を前衛戦士の胸に叩き込む。
ベコって音がして、紅桃の肘が前衛戦士の胸に刺さリ、黒い塵と化す。
紅桃自身、熱心にネットの動画とかで八極拳を体得しようとしていたけど、なかなか様になっている。
「わんぉ!」
疾風の十文字槍が魔法使いの胸を貫き黒い塵に返す。
ほどなく戦闘が終了しみんなで魔石や消えることなく残った武器や防具を回収する。どれも攻撃力付与とか防御力付与の魔法具だけど、付与しているのが防具は普通の布とか牛の皮。武器は青銅とか鉄なので価値はそう高くない。まあ、初心者にはそこそこ需要があるので後進育成も兼ねて集めていく。自分も戦士職だったらお世話になっただろう。
「ボス部屋に行こうか」
「いいよ♪」
心ちゃんが同意したのでボス部屋に向かう。
「突撃!」
部屋の中に入ると、モワモワと煙が立ち上がり、三体の武者と修験者。二体の僧侶が現れる。
「回復役が二体か・・・長期戦は望ましくないのよ・・・ね!まずは修験者から潰して!!」
「了解!インドラの指!!」
紅桃の指先から紫電が走り、修験者を襲う。
「がぁ」
修験者が塵となって崩れる。
ザザッ
鎧武者が抜刀して間合いを詰める。
「せえぇい!」
心ちゃんが杖という名のメイスを叩き込む。
ベキという音と共に鎧武者の刀が根元からへし折れる。
「うわぁ脆すぎる!」
心ちゃんが顔をしかめながら鎧武者の頭をメイスでぶん殴る。
が、直後に緑色の光が鎧武者を包む。
「回復か!」
すかさず往復ビンタのように顔をメイスでぶん殴る心ちゃん。実に開拓者魂に溢れている。
「にゃあ!」
盾を構えながら、チビが鎧武者の一人を牽制し、その隙をついて疾風が十文字槍を突き出す。
自分は毒のポーションを後続の僧侶たちに投げつけて、呪文の詠唱を阻止する。
「インドラの指!」
紅桃の指先から再び紫電が走る。
「ぎゃ!」
また一人黒い塵に返る。
ガキッ!
鈍い音が響く。鎧武者の一撃が紅桃を襲っているが、紅桃はメリケンサックでそれを受け止めている。
「あめぇんだよ!」
刀を弾くと、そのまま踏み込んで鎧武者の腹に拳を叩き込む。
鎧武者は後ろにいた僧侶を巻き込みながら吹っ飛ぶ。
「うりゃあ!」
紅桃はジャンプして間合いを詰めると着地と同時に拳を落とす。
ぶっ飛ばされた鎧武者はビクんと震えて黒い塵に返る。
「おりゃ!」
続けて紅桃は震脚で僧侶を踏み抜く。何度もいうけど震脚は攻撃技じゃないからね。
「うにゃ!」
チビが盾で最後の鎧武者を弾く。
「シャドーライトニング!」
ペンタントちゃんの杖から黒い稲妻が迸る。
「わんぉ!」
「にゃあ!」
疾風とチビが一斉に襲いかかる。
ぶわっと風が走り鎧武者は黒い塵と化し魔石と銅箱を残す。
「お疲れ!」
心ちゃんが拳を差し出してくるのでこちらも拳を差し出す。
「鑑定よろしく」
「ほい」
宝箱の前に行き鑑定する。毒ガスか・・・
「罠は毒ガスだね、解錠するよ」
いつもの手段で罠を解除する。
カチッ
ズン
鈍い音と共に宝箱が火を吹く。
「爆弾!」
罠の鑑定ミスからくる解除ミスで宝箱が火を吹いた!
「大丈夫?」
「なんとか・・・」
爆弾で吹っ飛んだらしく、中身はガラクタだった。グビグビと回復ポーションを飲みながら焦げた宝箱を蹴り飛ばすのだった。




