第175話 遺跡調査終わる
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「おの~れ!」
大事な事なので2回言いました。いやそうじゃ無いだろ。こいつ自我があるのか?
「綺麗にバラせるかな?」
「お?何気に難しいオーダーだな?」
ユウイチローがカラカラと笑う。
「せーの!」
紅桃が大剣をくぐり抜け、すっとボーンゴーレムの懐に入る。
「こうすればいいんだろ!」
そう言ってボーンゴーレムの肘を取る。
「ふん!」
そう言って肘の部分をかちあげる。
バキ!
乾いた音と共に肘がへし折れる。
「なるほど」
残った腕に手を伸ばし、ユウイチローがボーンゴーレムの肘を殴る。
バキ!ガラン!!
ボーンゴーレムの肘が粉々になり大剣ごと地面に落ちる。
「呆気なさすぎだろ?」
ボーンゴーレムは両手を失い、じたばたする。
「スケルトンに見せかけたせいで関節構造が脆いんだろ?」
ユウイチローがボーンゴーレムの膝の部分を蹴り抜く。
人型なのでそれだけで立ち上がることが出来ず地面をはいずる。
「おのれ!」
恨めしいそうに言うが、まるで迫力がない。
「ここがボス部屋かな?」
ボーンゴーレムの頭をグリグリと足蹴にしながら見回す。
「こいつ残してほっとけば雑魚が補充されんじゃね?」
ユウイチローが砕かれた腕をカイヤに渡して遠くに捨ててくるように指示を出す。
「おのれ!」
ボーンゴーレムが悔しそうに叫ぶ。もしかしてそれしか言えないのか?
自我あると思ったけど強いだけか?
「まぁ、部屋の中を家捜しするか・・・」
部屋の中を探し回ること一時間。
骸骨が吊られた小部屋を発見する。
ジージャ
やがて光が骸骨の上を通り過ぎ、ウィーンと音を立て3謎の半液体を吐き出しながら目の前に3Dプリンターよろしく骸骨の人形を出力し始めた。
「ゴーレム製造マシン?」
やがて骨盤に差し掛かると魔石が装着され、続く骸骨が造り出されていく。
ぶん!
眼窩の奥が光り、ボーンゴーレムが一体完成する。
「なるほど、こうやってゴーレムが生まれるのか・・・想像してたのと随分違うが、なるほどね」
しかし3Dプリンターの人形ように作られるとは思ってみなかった。
まぁ、半永久的にゴーレムを生み出すのならこの方法は合理的かな?
「無人になっても作り続けるのはなんか意味があるのかな?」
「よからぬ事を考えるヤツらを釣り上げるのには便利だろ?ダンジョンとして生きているならなおさらだ」
ユウイチローが素っ気なく言う。
「あ、新しいゴーレムは片足を折るだけに」
「あいよ!」
紅桃が出来たゴーレムボーンの片足をへし折る。
人型の二足歩行だからこそ、それだけで動きが封じられるのだ。まぁ、スケルトンも同じように片足を破壊すると、後は地面を這いつくばるだけなんだけどね。
「装置を調べて、何かに利用出来ないか探してみよう」
立つことは出来ないが、近寄れば襲い掛かろうとするボーンゴーレムをかわしながら、ゴーレム発生装置を調べる。
もっとも、専門家じゃないので、ついている部品が取れるかどうかとか高そうな部品が付いてないかどうかを調べるに止まる。お?機械が止まった。
「重要な部品を見つけたっぽい。まぁ、調査団に投げとくか」
部品を元に戻し、遺跡をあとにする。あとは冒険者ギルドに丸投げだ。
遺跡から何か見つかったら、優先して買い取る契約を冒険者ギルドとしてあとは冒険者ギルドの調査班に任せる。
何か面白いモノでも見つかればいいな。
トレントが植木鉢を要求してきた。マイダンジョンではなく、異次元の扉の中にいた方が自分と多く接触することが出来ると知ったようだ。
このトレントは、見た目は広葉樹だが二本の触手のような枝を二本持ち、草食動物が食べそうな果実をつけて獲物をおびき寄せて捕食する。
捕食というより絞め殺してその死体を肥料にするといった感じで生息している。骨が散乱していないから溶解液を出すのかもしれない。
でだ。充分な肥料をくれるのなら捕食活動する必要がないらしい。まぁ肥料と果実を交換してくれるということだ。
果実は・・・マジカル的なもので捕食対象者の思考を読んで最適なものを出してくれるらしい。
西瓜・・・じゃあなんで最初に西瓜が出たんだ?




