京都二条城ダンジョンその4
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金色の箱の中味は家康コイン5枚と無名の小太刀1本。火炎の魔法スクロールが3本。温水流の杖1本だった。
温水流の杖と言うのは1度に43度180リットルの
お湯を生みだす杖で、別名「お風呂の湯」。
どちらかというと生活用品だよね。だからレアリティよりも高く取り引きされている。水道代と湯沸かし費が随分浮くからね。
「それでは尋問を始めます」
とセラタの尋問を始めようとしたところ、セラタから熱烈にテイムされること要求をされた。
どうやらイエヤスが復活した時点で生き残っている自分はネームレスモンスター・・・ただのアライグマ獣人の侍に格下げされるのだという。
世に二人もセラタモトノブは要らないという訳らしい。
そしてテイムされてしまえばそうならないらしい。本当かな?
まぁ嘘であってあってもこの生への執着というのは嫌いではないのでテイムすることにした。
「で、このダンジョンなんだけどさ・・・」
二条城ダンジョンの秘密・・・というかイエヤスを討ったのに報酬がしょぼかった事について聞いてみた。
「二条城ダンジョンのボスは三体いるタヌキのイエヤス。オオザルのヒデヨシ。ウサギのヨシアキ。イエヤスを倒した状態でヒデヨシが出現し、ヒデヨシを倒した状態でしかヨシアキが出現しない」
へえ~。そうなんだ。まぁ開いている期間が限定されているダンジョンで、ボスを倒さないとボスが出ない。それが三体いるとか普通に思わないよね。
「でも最後のボスがヨシアキってどうよ?」
最後は信長だろう?と聞くと、
信長が宿にしていたのは二条家の屋敷であって二条城ではないらしい。
ついでに聞くと、一番強いのがイエヤスで一番弱いのがヨシアキだそうだ。普通逆じゃない?
「最初がイエヤスだからね。さらに遡るようにボスが出てくるとは思わないだろ?」
確かに言われみればそうである。しかもこのダンジョンのボスは一度倒されると再度湧くのに時間がかかる。イエヤスのドロップ品も周回するほどのものではないので知られることはなかったのだ。
「気が向いたら周回するか・・・」
実際イエヤスが復活しないとこちらはヒデヨシとは対決できないのだ。一旦置いておくことにする。
「ということで自己紹介」
「うす」
種族アライグマ獣人
名前セラタモトノブ
性格中立
職業侍(足軽)
性別男
レベル51
体力157/157
MP80/80
力20
頭脳18
知恵17
耐久16
敏捷19
器用16
スキル
刀術20
槍術21
火魔法10
算術10
おお・・・なかなか・・・といぅかなんで算術持ってんだ?レベルも高いし・・・はっ!こちらにテイムを願い出たと言うことは計算高いってこと?
「どうよ?」
セラタに確認したところニッコリ笑って反応を反らされた。それで察しろと言うことで答える気は無いらしい。
それから開拓者ギルドに移動し、セラタの情報を未確定情報として登録する。情報が正しい場合はクエストの発見者としてお金が入ってくることがある。大抵の場合、発見者イコールクエスト完遂者になることが多いのだが、今回はクエストが続くにはボスの復活という時間があるので、「発見しました」と言う事実を申請しておくのだ。
第一発見者としての義務でもある。
「第一発見者としての登録は完了しました。一年間は秘匿され、その後はギルド情報として公開されます。ただし、一年以内にクエストが完遂された場合は即座に公開されますご留意お願いします」
ギルドの受付がトントンと書類を整えながらいう。
「はい。解りました続いてテイムモンスターの登録をお願いします」
そう言ってセラタの情報を登録し、登録証であるリボンを受け取る。
これでセラタも仲間の一員である。
「ー月に一人の勢いですね」
「それは・・・多いのですか?」
ギルドの受付の言葉に思わず聞き返す。
「数もですが、種類と質ですよ。特に鬼姫を筆頭に・・・ね」
多分自分のテイムモンスターの登録履歴を見ながら受付がいう。
「たまたまですよ」
そう返すのがやっとだった。




