第144話 京都ニ条城ダンジョン
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京都には数年にー度開くダンジョンがある。その一つがニ条城ダンジョンだ。
地上5階だが、1層ごとが広く跋扈するモンスターは強い。ゆえに上級ダンジョンに認定されている。
「正確に言うと第5階層はクリアされていないし、ボスの名前から最終ボスだろうと推測されている・・・でしたよね?」
「まぁ、そうなんだけどな」
開拓者ギルド広島総支部長の肩書きを持つ山本幸雄さんが、苦笑いをしながら肯定する。
二条城ダンジョンの第5階層のボスはイエヤス。魔法を使う妖怪狸で特に幻術が凄まじく今を持って持って討伐されていないダンジョンでもある。
「それが開いて、開拓者ギルドとしても討伐したいと・・・」
所謂、開拓者ギルドから討伐のための補助依頼が来たのだ。
ま、補助といっても異次元の扉を二条城ダンジョンの第5階層に設置して臨時のギルド支部兼購買所を出すだけなんだけどね。それでも第5階層に支部兼購買所が出来るのは換金と補給物資の補充という意味で大きい。
まぁ、自分だと経費が片道の新幹線代だけで済むという理由も大きいだろうけど・・・
あと封鎖されてもダンジョンに潜れるかも調査したいところだね。
「という訳で京都です」
開拓者ギルドの異世界支部の受付嬢でもある大江春美さんに声をかける。当然だが彼女もクランメンバーである。
「うわっ。本当に京都なんですか?」
大江さんが異次元の扉から出てきて驚く。
「これからは京都にも気楽にこれますね」
「こちらのギルド職員と接触したわけでも、外を見た訳でもないので京都と言われてもですね」
大江さんの言うことはごもっとだ。
「まぁ、ギルドで手続きをしてきますね」
大江さん
「こちらはニ条城ダンジョンに潜ってきます」
そう言って大江さんと別れて、ニ条城ダンジョンに向かう。
「召喚!」
ニ条城ダンジョンの入口に到着し、紅桃と疾風とチビとペンタントちゃんを召喚する。
「テイムモンスターオーガプリンセス?もしかしてQドラ権さんですか?」
なんか受付の人に身バレしているんですが・・・
「はい。Qドラ権です」
恐る恐る答える。
「いやあ~テイマー界では有名ですよ。握手してください」
聞くと、テイムモンスターがセカンドジョブを自由に習得出来ることで、ある程度進化先をコントロール出来るようになったというのは快挙なんですよと言われた。
そこで、自分のテイムモンスター逹が長い間進化していないことに気付く。
前までは勝手進化していたのに・・・
「という訳で進化が出来るのか見ていきたいと思います」
『なんかいきなり始まっていきなり爆弾落としてないか?』
スベスベ饅頭:『Qドラ権だし』
『そういえばQドラ権のテイムモンスターが育ってないな?』
「土日と祝日。長期休暇いまは育成よりも新天地の探索で忙しいから・・・」
言い訳させてもらうならこれである。冒険とは未知を既知とする者であると偉いガイコツさんが言ったように異世界では育てるより探索することを優先したんだよね。
『それで今からテイムモンスターを見聞すると』
「はい。まぁ変な育て方はしていないので変な方向には進んでいないと思うんですけどね・・・」
苦笑いしながら転職の水晶の前に立たせる。
まずは紅桃から・・・
種族オーガプリンセス
名前紅桃
性格中立
職業格闘家・魔法使い(雷)
性別女
レベル59
転職出来るのは・・・
戦士
魔法使い(雷)
弓士
盗賊
侍
能力値があればなれる職ばかりで特殊職とか生えてないね。というか今、格闘家という特殊職だったりする。これはいじらないのが正解だよね。
『格闘家とか紅桃ちゃんらしい』
『魔法使い(雷)ってサブジョブが付いている・・・なんで今まで気付かなかったんだろう?』
『テイムモンスターに転職水晶を触らせること自体がなかったからな。コロンブスの卵だよ』
『そうかな?そうかもしれない』
『テイマー自体が希少かつマイナー職だったからな』
スベスベ饅頭:『Qドラ権様々という話もある。まぁ今ではテイマースキルのオーブも高嶺の花になりもうした』
今は三桁万円するんだっけ?J隊が買い占めるまでもなく、毒で弱らせれば中級後半のボスモンスターもテイム出来ると知られ一気に人気沸騰したんだよね。




