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06・そうだ、宇宙行こう

 果たしてジャンルはコメディで良いのかと非常に迷っております。ご意見募集中。

 私達(私タマモとダッキさんね)の仕事は、大手星間運送会社と契約している下請零細運送業者だ。いや、だった。

 偶に宇宙海賊に襲われて相手の船に乗り込んでステゴロで返り討ちにしたり。

 非合法な連中に絡まれて路地裏に誘い込んでステゴロで返り討ちにしたり。

 オトシマエ付ける為にそいつらのアジトに単騎でカチコミかけてステゴロで全滅させたり。

 そんな荒事をした事もあったけど、割りと堅実に仕事をこなしてもいた。無借金経営だったし。

 二つ名? そんなものはない。ないったらない。


「確か『紅白狐(べにびゃっこ)』でしたよね。返り血を浴びるのも構わずに、素手で相手をタコ殴りにする(さま)から、そう呼ばれてたと」


 ダッキさん、ダダ漏れ思考(地の文)へのツッコミは無しの方向で、お願いしますよ? あと私は白じゃない、銀だ。

 それに相手の血だって赤いのばかりじゃなかったし。緑とか青とか黄色とか居たし。

 紅白(こうはく)狐? そんな歌合戦みたいなのは知らない()ですね。私とは別人でしょ。(すっとぼけ)


 そんで仕事の話に戻すけど、遅配なんて一切無かったし、配送先を間違えるとか荷物の破損なんて(もっ)ての(ほか)。この仕事、信用第一よね。

 そんな私達が最後の仕事でミソを付けてしまった訳だが……。


 それで、その仕事で運んでたのが通称『小惑星開発キット』。

 正式名はなんか小難しい単語が並ぶから省略。

 こいつを資源小惑星に設置すると資源を採掘しながら自己増殖して、仕様に則ったプラントを作り上げて行く、割と宇宙開発の現場で使われている便利設備だ。

 なんせ、みくりや丸で一式運べる位のお手軽さだもの。

 その自己増殖して放って置いてもプラントを作ってくれる特性から、ただの岩石惑星を生存・居住可能惑星に改造する時の初期にも使われたりする。


 私達が向かっていたのがウェンクチ星系、その外縁にある岩石系の準惑星の開発現場だった訳だが……。

 ごめんよー、クライアントの皆様がた。私達は今、遠く離れた別宇宙のとある惑星で、だらだらと過ごしております。


 さて、そんな小惑星開発キット。積みっぱなしとか勿体ないよね?


「と言うわけでさ、ダッキさん。適当な小惑星なり準惑星に設置して来ない? メンテ部品とか入り用でしょう。ついでに船渠(ドック)も作ってさ」


 裸で水浴びを楽しんでるダッキさんを見やる。段々と人間臭さが増してるなぁ。

 あとダッキさんの裸、女同士だし慣れた。


「そうですね。メンテ無しでも、あと百年は保ちそうですけど」


 岸に上がりながらダッキさんが答えた。


「リアクターとかドライブ・ユニットとかの高度技術部品の生産データとかもあるよね?」


「ありますよ。航行中の故障と事故に備えてデータは全て持ってますから」


「そんじゃ行きますか。人化解いてね」


「人化したままでも行けますよ?」


 マジっすか!? 宇宙(そら)()く金狐か、萌えるな。いや、でもなー。


「余程その姿が気に入ったのねぇ。でも私が落ち着かないよ。ほれ、みくりや丸の姿に戻った戻った」


「ここでは狭いので、あそこの尾根に移動しましょう」


 確かに。この渓谷の河原で人化を解いたら大惨事かも。主に渓谷が。


「それじゃテクテクと行きますか。ダッキさん、人化した身体には大分慣れたみたいね」


「お陰さまで。新鮮で楽しいですよ。それでタマモ、戻って来てからで良いのですが、お願いがあります」


 お、なんか下向いてモジモジしてるダッキさんも萌え。え、ダッキさんの服はどうした? そりゃ話ながら着たに決まってるでしょ。


「なになに? ダッキさんのお願いなら何でも聞いちゃうよ」


「冒険者と言うモノを経験してみたいな、と」


「却下」


「なぜですか? さっき何でもって言いましたよね」


「言ったけど、言ったけど却下、許可しません。大体ね、冒険者なんてもんはこの惑星だと食い詰め者がなるようなモノで、荒くれの破落戸も多いし社会の底辺。優美で妖艶なダッキさんには似合いません!」


「えー。タマモ、お願い」


 そんな上目遣いして可愛いく言ってもダメな物はダメです。

 わざわざ私に上目遣いするためにしゃがんだのは評価はする。

 どーせ私はちんちくりんだよ! 人化したダッキさんより頭一つ小さいのよ……。


 さあ、とっとと設置しに行くよ!



※ ※ ※ ※ ※



 わたしタマモさん。いま冒険者ギルドにいるの。


 いや、どうしてこうなった。


 小惑星開発キットはちゃっちゃと設置して来ましたよ。外惑星系で見付けた岩石系の準惑星に。

 データ放り込んで設置して、後は放っておけば希望通りのプラントに工場に船渠(ドック)が出来上がる寸法です。

 完成まで凡そ五年てとこかしらね。あれば安心、ホームベース(基地と母港)


 戻って来て、船外作業服で彷徨くのもアレだからって、服を作ろうとしたけど、デザインがね、持ってるデータが星間文明基準なんですよ。

 船内には3Dプリンターの進化したような凄いのがあるからデータさえ有れば簡単に作れるんだけどさ。

 で、町中でも浮かないデザインの参考にと適当な服を買いに来まして。

 あ、お金は例の何たら国を潰して去るときに瓦礫の下からサルベージしました。慰謝料と迷惑料は貰わないとね。

 そして、きゃいのきゃいのと女子二人でお買い物をして、買った古着に着替えて歩いていた帰り道に、ヤツが居ました。在りました。


 そう、冒険者ギルドと言う名の、ダッキさんを誘惑する悪魔が。


「では、この用紙に必要事項を記入して下さい。代筆も致しますよ」


 受付のお兄さんが鼻の下を伸ばしております。男のチラ見は女のガン見。ダッキさんのどこ注視しとんじゃい、ワレ!


 もうね、ダッキさん目が期待にキラッキラですよ。感情表現豊かになったなー。(遠い目)


「そっちの小さいお嬢ちゃんも登録かい?」


 ごるぁ! 小さい言うなや!


 仕方ないから、ダッキさんに付き合って、私も登録する事に。

 なになに、名前と年齢、得意な得物と、あと出来ればスキルだけで良いのか。そんで登録料がかかると。

 ステータスの確認は無いのね。それについては良かった。正直、私達のステータスは見せられないよね。


『ダッキさんダッキさん、年齢正直に書いちゃダメだよ。あと全属性魔法とかも』


『大丈夫ですよ。世界常識を見てますから』


『何歳にしたのよ』


『十九歳ですね。外見からこれくらいと判断しました。魔法は生活魔法と、狐族らしく火魔法だけを』


『んじゃ、私はアブダクションされた時の十七歳にしとくか。魔法は生活魔法のみでと。得物ねぇ……、得意なのってステゴロだからなぁ。よし、徒手空拳よりも、ここは体術と』


「書けましたか? お二人でパーティーを組むんですね。それでは少々お待ちを」


 私が前衛、ダッキさんが後衛。後で装備とか見繕わないと。

 とは言っても買うわけじゃなくて、お店を冷やかしついでに、ダッキさんに記録して貰っておいて船内で作るんだけど。


 そして無事に登録完了。薄い鉄板で出来たタグみたいなのを貰い終了。

 え? ガラの悪い不良冒険者に絡まれなかったのかって?

 こんな小さな町だと、そんな鼻つまみ者は即、町民から総スカン食らって依頼も受けられずに退散するらしいんだわ。それもそうか。


「それじゃ、形だけでも冒険者するのに武器とか装備でも見に行こうか」


「依頼とか受けますよね? タマモは殴る蹴るで、武器を使わないから防具だけ?」


「うん。ガントレットとかグリーヴが定番だけど、見られて違和感無けりゃなんでもオーケーだよ、きっと」


「そうですね。私も魔法使いっぽい感じで揃えてみます」


 そんな事を話ながら武器屋と防具屋を見て周る。武器屋も防具屋も一軒しかなかったから、すぐ終わったわ。そして世界常識に武器防具各種の詳細を後になって見つけて落ち込みました。


 さて、こそこそ路地裏に入って上部デッキのエアロックをダッキさんに開けて貰って船内へ。

 不思議な事に、人化したダッキさんも入れるんだよ。中でエアロックの外部扉とか出せるんだろか? 怖いから試さないけど。


「まずは着るものからだねー。ダッキさんの基本衣装のコンセプトはエロ格好いいにしようよ! 折角のナイスバディにしたんだからさ」


「自分で選びますから、お構いなく」


 しょぼーん。ライダースーツみたいなのエロ格好いいと思ったんだけど、提案する前に拒否られました。

 仕方ないので自分のを考える。私は前衛で基本は殴る蹴る。となるとやっぱりガントレットとグリーヴは外せない。

 問題は靴だよ。足場悪いとこだとね、ソルレットみたいなのは踏ん張れないし。

 あと、肘当てと膝当て、胸部の防具か。見せ武器でダンビラ一振りでも持とうかな?

 頭はなー、狐耳がね。耳の所を開けたヘルムって、なんかパンツ被ってるように見えるからヤダ。

 鉢金とかでも良いか。当たらなけりゃどうって事ないし。


 そして決まりました。私は基本、ズボンと長袖の上着にマント。オプションでベスト。そこに動きを阻害しない胸当て。コンバットブーツの上から前半分のグリーヴ付けて、手と腕にはゴッツいガントレット。

 腰にはベルトを巻いて、そこに刃渡り五十センチの刀モドキを下げる。戦闘時には邪魔だから外しちゃうんだけどね。

 見た目は現地素材の、実態は星間文明由来の物となっております。

 鉢金は不採用。思ったより邪魔くさかった。


 さて、問題はダッキさんだ。後衛だから基本、防具は無しか最低限なんだけど。

 スタッフに見せかけた棍は良い。ローブじゃなくて金髪が映える黒いマントにしたのもまだ良い。

 だけどなぁ……。胸元開いた黒のロングワンピース。腰のとこまでスリット入りって。

 なんで、おぱーい強調するようにサッシュベルトを上の方に着けてるのかな? スカート部分がスリット入れてる事もあって動くとパンツ見えちゃうよ?

 ダッキさん、どこ目指してるん?


「却下」


「えええ……」


「いや、冒険者の仕事って野山での採取や狩りが基本だよ。スカートにスリット入れて動きやすくしたつもりだろうけど、引っかかったりして邪魔だと思うよ? やり直し!」


 前途多難……。





※書き貯め出来たので12/27までは毎日18時に投稿します。


※なんか、星間文明生活の時の方が冒険活劇してた雰囲気。果たして私にそんな話が書けるのか。

※タマモさん、真空中でも活動可能でして、みくりや丸の上部に鎮座してる円盤(連絡艇)で海賊船に取り付いては宇宙船共通の弱点であるエアロックをぶち破って乗り込んでステゴロでシバき倒してた過去があります。(と言う設定)

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