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01・玉緒がタマモになった訳

 新連載です。プロットなにそれ美味しいのでお送りします。宜しくお願いします。

 なお感想で「こゃーん」して貰えると作者は喜びます。

 御来屋(みくりや)玉緒(たまお)は改造人間である!


 じゃなくて。


 いや、確かに改造されたから『改造人間』で合ってはいるよ、うん。

 私こと御来屋玉緒は、花も恥じらう十七歳の乙女の時に、夜中に小腹が空いたので冷蔵庫漁ったけれど魚肉ソーセージすら無いじゃん! と言うことで、仕方なく綿入れ羽織って冬の寒空の下、近所のコンビニ(徒歩五分)へと出掛けて、おでん買った帰りに訳も分からず拉致されました。


 UFOに。


 なんか上が明るいなー、なんて思って見上げたら、そこに丸くて光るのが浮いてて、あれよあれよと体が浮かび上がってUFOに吸い込まれてしまいましたとさ。


 父よ、母よ、妹よ。いきなり行方不明になってしまって済まぬ。


 そして気付いたら、いつの間にか改造されてました。


 狐娘に。


 狐耳に尻尾。髪色も銀色になってました。顔の造りは変わんなかったけど。いや、垂れ目で丸顔のたぬき顔って言われる私が狐娘て。

 A村K純さんみたいな美人さんなら絵にもなろうが、お父さんお母さん譲りのハイブリッド地味顔の私じゃ画伯の描いた絵にもならんわ。


 それで拉致して改造した張本人はと言うと、官憲に逮捕されてました。星間国家間の指名手配犯だったそうです。

 なんでもヒューマノイド型の未開種族だけを狙ってはケモミミ尻尾付きに改造するのが趣味の変態だそうで、改造するだけすると満足して、被害者を適当な惑星なりコロニーなどに放置しては自身は逃亡すると言う事を繰り返していたらしい。何がしたかったんだろう?


 それでも今までの被害者は生体部品を取り付けられた位だったので、被害者の皆さんは無事に元の姿に戻されて、母星にお帰りになられてるそうで、私も元に戻ってめでたしめでたし。

 なら良かったのにね……。


 あ、言葉は超高性能な自動翻訳機を貸して貰ってたお陰で苦労しませんでした。


 私がされたのは生体部品の移植なんてチャチなもんじゃなかったのよ。

 全身、脳味噌含めてナノマシンを使った人工細胞に置換と言う処置をされてました。

 本人の同意無しでやったら殺人罪に相当するそうで。

 脳が無事だったなら、脳細胞から遺伝情報を取り出して新しい肉体を作って、脳をそっちに移植する事で、一応は(異星人基準では)元に戻せたらしいけど、全身隈無く置換された上に、オリジナルの遺伝情報が無いので戻せないと告知されました。生物からの逸脱だそうですよ。

 でもまあ、私って犯罪被害者ですし、人格もありますし。って事で地球で言う処の人権が認められて、補償も受けられる事になりました。

 太陽系がある宇宙域の星間国家の市民権とか、当座の生活環境とか、教育とか、それと私を改造した犯罪者の財産の受け取りとか。

 そんで私を拉致した犯罪者の財産というやつが、私のその後を決める事になりました。


 私を拉致したあの円盤て、もっと大きな母船の一部だったらしく、その母船も捜査が終わると犯人の財産だったからと、補償の一部としていただけました。


 でもね、折角いただいても操船は無理。コンピューター任せで良くても無理。それはなぜか。

 運航するには高度な人工知能を使った操船でも資格免許の類が必要だそうで。

 そりゃそうだ。彼らから見たら原始人みたいな地球人でも、法治国家なら自動車や飛行機や船を動かすのに資格とか免許とか必要だもんね。星間国家なら尚更。

 売り払っても良かったけど、なんかやたらに高性能みたいだし、軽いオタクだったから自分の宇宙船とか憧れるじゃないですか。


 はい、操縦資格と免許、取りました。借金して。

 でも借金しても平気。改造されて限定的不老不死になった事に加えて、不眠不休でも平気な身体になったし、大手の委託で輸送業やって休まず働けば返せるから楽勝楽勝、と思っていた頃もありました。

 商用で運用するには、その為の資格免許が必要だそうで。世知辛い……。

 はい、借金を重ねました。担保は補償で貰った宇宙船です。

 ひーこら言いながら苦節(地球時間で)十年。バイトしながらなんとか取得したけど、宇宙船の係留費で借金が増えてました。うがーっ!


 それから、まぁ色々あったけど、なんとか大手との委託契約を結ぶ事が出来まして。借金も無事に完済して今でも宇宙の運送屋さんやってます。


 さて、ここで自慢の我が改造輸送船『みくりや丸』を紹介しよう! そこ、ダサい名前とか言わない! 異星人達には不思議な響きの船名だと好評なんだから。


 横から見たシルエットは、デザートイーグルとかコルト・ガバメントとかのオートマチック拳銃の銃身の下に、銃身と同じ位の長さと幅の構造物がパイロンで接続されたような形をしております。件の円盤はスコープ取り付け位置くらいの場所に乗っかってます。

 この船、縦列双胴船体と言う構造で、拳銃本体に見えるところがブリッジやら機関部やら何やらの重要区画が詰まる、謂わば本体。パイロンでぶら下がってるのが貨物デッキ。いざとなったら切り離し(パージ)可能。後付け改造部分がここですね。借金嵩んだけど。

 全長294.0m、全幅42.8m、全高83.9m。これでも中型輸送船の中でも小振りな方だってんだから宇宙ヤバい。

 でもね、小さな船体に見合わない大出力の機関を積んでて一気に五十光年もジャンプ(ワープ)出来たりするし。それも連続で。

 しかも惑星上にそのまま降下・着地が出来るから、現場で貨物デッキから直接の搬出入できる便利さよ。

 お陰で契約先から、急ぎの輸送とかで重宝されてるのよね。


「タマモ、誰に向けて話してるんですか」


 おおっと、ダッキさんからのツッコミが。

 今のは、この船の管制から管理から何から何までお世話になってる、平たく言えば超高性能人工知能っていうか人工知性体? トテモスゴイ・コンピューター様のダッキさんだ。

 本体を船ごと補償として分捕ったんだけど、前のシステムは全消去して、新しく構築し直して貰った、私の相棒様だ。お陰で借金嵩んだけど。

 なんか正式名を日本語に訳すと『直接動作カーネル及び能動的インターフェース』とか長ったらしい訳わからん名前になるから、乏しい英語の知識で単語並べて『Direct Action Kernel and Kinetic Interface』から頭文字を取ってDAKKI。敬意を込めて『ダッキさん』て呼んでる。本人(?)も気に入ってくれてるみたい。『妲己』にも通じてるのはナイショだ。バレてるけど。

 そのダッキさん、私と思考リンクしてるから、油断すると私の思考がダダ漏れするのだ。

 ちなみに『タマモ』は私の事。私の名前の『タマオ』って、音声会話できる異星人達には発音し難いらしく、保護されて早いうちから『タマモ』呼びが定着、市民権の登録も『タマモ』でされてしまっている。玉藻前かよ。確かに狐娘にさせられたけどさ。


「そろそろウエイポイント通過です。宙域管制に連絡を」


「ほーい。『ベンデュロス』宙域管制、こちら『ガーフレンジュル』所属『みくりや丸』。ウエイポイント『ゴミュンクス』」通過。進路、標準方位○三二・一○六から○四四・一一九へ変更。変更後、『ウェンクチ』までのジャンプに入ります」


 宇宙は広いと言っても、きちんと航路が設定されてて、勝手にそこを外れて航行は出来ないんだわ。

 決められたら宙域のウエイポイントを通過しながらジャンプを繰り返して目的地を目指すのよ。

 そんでウエイポイントでの管制との遣り取りは規則で機械任せはダメらしいので私が行うのだ。


『こちら『ベンデュロス』宙域管制。『ミクリヤマル』の標準方位○四四・一一九への変更許可。先行する艦船無し。併せて『ウェンクチ』までのジャンプを許可。お気を付けて』


「ありがとう。通信終わり」


「主リアクター出力正常。いつでもジャンプできますよ」


「そんじゃあ行きますか。ダッキさんやっちゃって下さい」


「補機停止。慣性航行へ移行。主機へのエネルギー回路接続。全システム正常。ジャンプします」


 帰りにも荷運びの依頼入ると嬉しいんだけどなー。なんて事を私が考えてるうちに、みくりや丸は目的地の『ウェンクチ』星域外縁へ向けてジャンプした。


※みくりや丸の諸元、ポンチ絵を描いて、そこから割り出したので後で変更するかも。

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