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広野で野良猫は生き抜いて外伝〜野犬の快楽道☆新宿グルメ 新宿梅もとの天玉そばとおにぎり

作者: 走馬エリィ

今日の日勤が終わり、夕食の時間になる。

汚職である程度裕福とはいえ、流石に給料前の懐は寒い。


「腹減ったなあ…」


小田急線に乗る為帰路に着く中、何とも芳しい香りが山田を襲う。

小田急エースにある梅もとからだった。


でっぷりとした腹からぐううっと鳴る。

頭は出汁をすすることしか考えられなくなる。

梅もとに足を運ぶのは運命だった。


「給料前とはいえ、贅沢をしてしまった。」


目の前には天玉そばに春菊天追加、更にはおにぎり。

合計600円

山田は最高に猥褻な物を見るようないやらしい目で手を合わせる。


先ずは七味を卵の黄身にふりかけ出汁と卵を丼からすする。

風邪には卵酒というが、山田は否定するだろう。

卵の黄身と七味と出汁、これが一番温まる。


恍惚とした顔でホフホフと山田はじゅるりと舌舐めずりする。


つぎにかき揚げだ

人は主に2種類の人種に分かれる。

かき揚げをひたひたにして汁にするか、カリカリに食べるか。

しかし山田はどちらにも当てはまらない


両方味わうのである。


天玉についてきたかき揚げを出汁にほぐし、出汁を染み込ませる。

その間にサクサクのかき揚げを軽く出汁に浸し、おにぎりと一緒に一気にかきこむ!

やはりサクサクの春菊天には米だ!

天丼は具を選べない、豊潤な春菊と米は最高の組み合わせだと山田は思いながら咀嚼する。

鼻から吸い込んで吐く息が寒い中、春を彩る。


さて、腹ごなしをしたらいよいよメインディッシュだ。

ひたひたになったかき揚げを更にほぐし、蕎麦と一緒にのびたかき揚げを一気に吸い込む!


ずずいっ!ずずっ!


染みたかき揚げの衣からじわりと油と出汁が染み出し、蕎麦と絡み合う。

かき揚げと蕎麦のマリアージュだ。

約束された勝利の旨み!ここにあり!

山田は一心不乱に蕎麦をかきこむ。


そして全て蕎麦を飲み込み、再び油と出汁に七味をかける。

山田はどんぶりを口に運びそれを飲み干す。


「ふうー」


感嘆とともに鞄を持ち、店を立つ


「ありがとうございましたー!」

店から声が聞こえてくると、山田はお世話様!と言って駅に向かう。

飯は一期一会、悔いなく後悔なく食べたい。

他は拘らない男だが、飯だけはこだわって生きる。

それが山田太郎のこだわりである。


明日はどこで食おう…

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