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5.7歳になって

最近、ずっと連勤でなかなか更新できませんでした…。

合間を見て進めていきたいと思います。


どうして嫌な事は直ぐにやってくるのだろう


昔からそう、遠足や修学旅行、イベントの日とか楽しみな事はなかなか来ないのにテストの日とか提出締切日とか嫌な事は直ぐにやってくる


本来このくらいの歳の子なら誕生日は楽しいんだろうけどね


今日はミュリエルもとい私の誕生日

屋敷のホールは豪華に飾り付けられデーブルにはに豪華な食事達、スイーツは私の好きなものをメインに揃えられている


現在、ミュリエルとして転生し7歳を迎える私は攻略対象者、自分の死亡ルートを我が家へ迎え入れる手筈となっている


「おや?どうしたんだい?あまり嬉しそうじゃないね。」


「お父様、お兄様。ごきげんよう。そんなことないです!とっても嬉しいです。」


部屋の端にいた私に心配そうに声をかけてきてくれた。


「そうか。それなら良いんだが…。向こうで呼ばれているから行ってくるよ。自分の誕生日なのだから楽しんで。」


そう言い残すと彼らは去っていった。





思い返せば今日は朝から大忙し。

起きてすぐに侍女達に髪や顔を弄り回され、服もあれでもない、これでもないと着せ替え人形。

昔のミュリエルなら一緒になってアレも違う、コレも違うとお嬢様ならではのお楽しみを満喫していたのだろうが、私は違う。


とっても疲れた。


もう後半の方は無心だった。


最終は…

「みんなが選んでくれたものにします。私のことをいつも見てくれている皆んなが選んでくれるならそれが1番でです。」


と、すべて任せた。


すると、なんだコイツ、こんなこと言うやつじゃなかったじゃねーか!みたいな顔をする奴がちらほら…。なかには、主人を綺麗に着飾るのに命かけてます!みたいな人もいて私が任せてしまったばかりに余計に大変な目にあったが何処に出しても恥ずかしくない仕上がりに…。


「まさかお嬢様が色々と着て下さるとはおもいませんでした!!いつもならこういう雰囲気の物はお召しにならないのに…つい張り切ってしまいました!」


なんてキラキラな目で言われては流石になんとも言えないわけで…

朝一から疲労困憊なのである。

その上、攻略対象であるオルガ・テオドルスがやってくる事を先程父から聞かされた私はもう頭がいっぱい。

お父様のお話が無駄に長かったので簡潔にまとめると…

父曰く…

「しっかりしてきたし、7歳にもなったのだがら立派なお姉さんだな!一つ年下の子が増えてもちゃんと面倒見られるだろう」

という事だった。


もちろん私の中身は20代なので面倒を見るくらいなんのその。

ただ、自分で自分のお亡くなりルート持ちの子の面倒を見るのかと思うと複雑である。

お兄様はお兄様でオルガの事を見てくれるつもりあるようだけれどお父様のお仕事に同行したり学業もあるので基本的には私に付くという事になりそうた事だった。


オルガの設定は元の家でも良い扱いを受けていなかった為、暗い子になっている。その上、私の悪評が耳に入っていれば物凄い警戒されるんだろうな…。

自分のお亡くなりルートを抹消するどころかそれまでに何かやらかしそうで…。


「…ふぅ。本当に大丈夫かな…。」


小さなため息とともに部屋の壁と同化していた私に突然声がかかった。


「今日の主役がそんな所でなにしてるの?」


「…ネロ!」


顔を上げるとそこには、幼馴染(設定)であるネロ・フォルダンが立っていた。

オレンジ系の髪色にエメラルドグリーンの瞳。

お父様の仕事の関係で交流のあったフォルダン家の子息。


「なんか雰囲気変わった?普段はそういうのは着ないのに…。」


「今日は侍女達が張り切ってやったくれたの。…ネロもいつもと違ってシュッてしててカッコいいよ。」


私はとっても笑顔で返事をした。が、私は見たぞ。ネロのそのとっても驚いたという顔を。こいつこんな奴だったか?って目を。


ふふん、前のミュリエルとは違う新ミュリエルをちゃんと見て噂を流して今までの悪評を吹き飛ばしてもらいましょうか!






「ミュー、こんな所にいたのか。」







「お兄様!」


私がネロと話しているとお兄様がやってきた。

全体的にシックな色合いの服は彼のサファイアブルーの髪を更に綺麗に魅せていて歩くたびに来賓客達の目を引く。

流石、攻略対象は違うな…。


一応、私の誕生日なのだけれど…?


「エド兄さん、お久しぶりです。この間うちに会談に来られた以来ですね。」


「久しぶり。ネロも元気そうで何よりだよ。今日は参加してくれてありがとう。」


実はネロとお兄様は仲がいい。

私の幼馴染ではあるのだけれど、やっぱり男の子同士というのが大きいらしくネロはエド兄と彼を慕っているのだ。

和かな雰囲気のなか進んでいく会話にのほほんとしているとお兄様から不意に声がかかった。


「ミュー、お父様が探していたよ。紹介したい子が居るらしい。行っておいで。」




…あー、ついに来てしまった。

題して、こじらせるとダメな系とご対面の会~お亡くなりルートを添えて〜



でもこんな所でじっとなんてしていられない。



彼をなんとしても改心させてお亡くなりルートを回避する


そして主人公がどこに落ちてもいいように、素敵な恋を育めるように進めなければ!


私は決意を新たにお父様を探すべく足を踏み出した。

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