14.お買い物と出会いと…2
お久しぶりです。
なかなか更新できなくてごめんなさい!!
思ったより進みが悪くて…。
これからもゆっくりですが進めていきたいと思いますのでお付き合い頂けると嬉しいです。
よろしくお願いします。
「じゃあ、そんなミューに俺のとっておきをお勧めしようかな。」
そう言って私の前に出された一着のドレス。
優しい水色がベースになっているプリンセスラインでスカートの部分は水色の上から薄紫のシフォンが数段に重ねられており綺麗なグラデーションになっている。
「どうかな、気に入ってもらえるといいんだけど?」
「すごく素敵。…でも、どうして?」
ネロならば昔の私、ミュリエル自身が身につけていたものや、欲しいと駄々をこねていた物もよく知っているはず。
それなのに真反対の印象のものを勧めてきて驚いた。
私はとても気に入ってるのだが、もし仮にミュリエルがミュリエルであればここでとても怒るはずだ。
私に何故こんなものを勧めるのか、と。
「どうして、か。んー、そうだな…。俺は前からミューにはこういうのが似合いそうだとは思ってたよ。君はとても嫌がっていたけどね。」
「それはもう昔の話よ。」
「そうだね。今までの君を見てそう思った。」
「…?」
まぁ、試しに勧めたら私が喜んだので良かった、と。
そんな爽やかなスマイルを振りまきながら長々と語るネロ。
似合いそうって…。
私の記憶にあるネロはゲームが始まってからのネロしかなく、全く持ってこういう事を言うような子ではない。
彼は、おおらかな性格でミュリエルが言えば渋々従わざるを得ない状況になってしまう為、必要以上に関わり合いにならないように努めていた。ミュリエルが言ったことには否定をすることなく「うん、そうだね。」と話は右から左にながれて取り敢えず返事をしていると言うような、ミュリエルに対してほぼ無関心の子。ましてや笑顔を向けることは愚か、ドレスを選んでくれるなんてあり得ない関係。
それが、今まで見てきたって…。
しかも爽やかスマイル付き。
これは、もしかしなくても…!!
ミュリエルに対しての悪評が改善されてきているのでは!?
このまま行けば他の攻略対象もなんとかなるかもしれない。
そして目的である手掛けたゲームの主人公の恋の行く末を暖かく見守ることが出来るんじゃないか?
そんな喜びを感じていると後ろの方から声が掛けられた。
「ミュー、お気に召すものはあったか?」
「お兄様!オルガ!私、これにします!ネロが選んでくれたの!」
選んでもらえたら喜びと悪評が薄れてきている喜びが重なり、るんるんでお兄様達にドレスを見せた。
「…それは良かったじゃないか。」
「えぇ、とても素敵だと思います。」
ほんの一瞬驚いた様子だったが、直ぐに微笑み褒めてくれた。
「ドレスが決まったならそれに似合う装飾品を見繕わなければいけないな。」
お兄様の一言をきっかけに私達は装飾品の置かれた棚へと足を向けた。
衣装は決まっていたのでそれに合わせる形で見繕ったのでさほど時間はかからなかった。
もっと言うとなかなか決められない私にお兄様とオルガが選んでくれた。
こうして全ての買い物を終えた私達は再び馬車へと乗り込み屋敷への道を戻った。
結局、店を出るまで一緒にいたネロはこの後まだ用事があるらしく別れた。どうもこの店に寄ったのもネロ父の仕事関係で近くに来ていたらしく、本当にたまたまだったらしい。
最後に、今度会えるのは王家のお茶会になりそうだね、と言い残し去っていった。
…お茶会。。
やっと!!やっと!
お茶会ゾーン!!王子様まで長かったですがこれから幼少期王子ターンへ…!