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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

今日から学校と仕事、始まります。②莞

久々に来たな~

作者: 孤独

「日本語も分からねぇのか、ボンクラ女がよ!!」


最近、ストレスなく生活ができたため、こんなストレスの溜まる言葉を言われたら、困るもんだ。

日本語は分かるんですけれど、意味が分からないという意味で固まるしかないというのが、現状である。


つゆだく牛丼だって、言っただろ!」


なんていうか、人の基準というものがある。言葉を知っていても、意味まで分からないというのが世の中。

正直、分からん基準に悩んでいるのは勿体無いと思うわけだ。


「も、申し訳ございません。ただいまご用意致します」

「これじゃあ、つゆ牛丼だろーが!!」


普段通りの仕事で、普段通りのお客に、普段通りのメニューをご提供してのクレーム。

唐突過ぎるものであり、お店側も困惑するものだ。


「汁だくの基準なんですけれどね」

「機嫌悪いんじゃない?」

「店に当たらないでくださいよ、ホント」


他のお客様の汁だく牛丼と同じものである。もし、もう少しつゆを入れたい場合は、『汁だくの汁を多めで』『汁だくだくの牛丼で』などと、注文してください。ただし、『汁だくの牛丼の大盛り』と頼んだら、普通に大盛りが来ます。

『並盛りでいいんだよ!』

って、後悔しながら食べていたお客様は、ちゃんとオーダーミスを自覚していて、良いなと思いました。


「はい、汁だくだくの牛丼です」


ほんの少し、ひとてまを加える。たったそれだけで解決する事なのに。

どうしてか、できないものである。



◇         ◇



「日本語も分からねぇのか、ボンクラ女がよ!!」


また別の日。というにしては、翌日の事である。

昨日と同じように、”汁だく牛丼”のご注文。


「これじゃあ、つゆ牛丼だろーが!!」


まーた、機嫌悪いんかい。

マニュアル通りの対応、マニュアル通りのこと。


「ずっと前からも俺言ったよな!汁だく牛丼だって!こんな汁の少ないのを汁だく牛丼だって言うのか!?ええっ!?」


世界は俺で回っていると、そう宣言しているかのようなクレーム。こちらの基準を話したところで、言う事は決まっている。


「日本語が分かってねぇー!」


とにかく、否定である。相手が謝るとかどーでもよく、否定なのである。

こちらの意見というものを聞かないというより、封殺してくるのである。


「あの、病院に言ったらどうですか?普段と変わりないものを提供していますけど」


何気ないアドバイスであった。

お客様は当然、不用意な事を聞けば、激昂し、本社のど偉い方にクレームをつけるのであった。



だが、1週間後。


「いらっしゃいませー」

「……この間はすまん」


ぶり返すような事を言うんじゃネェって、この間のお客様が来て、思ってしまう。

だが、今日のお客様は今までに見た事がない落ち込みぶりであった。


「軽度の認知症って診断されたんだ」

「そんなの知りませんけど?」



こんなハッピーエンド(?)かどうか、知りませんが。

最近、クレームで起こった出来事だったんですが。

クレームの内容が正直に、”意味分かるけど分からず”。怒られ、頭を下げたんですが。

相手がご老体でして、とにかく罵声の嵐でした。ただ、ご本人は正論を言っているっぽいんですが。


『午前中に再配依頼したのに、なんで午後に再配で来るんだ!?』

『そのお荷物、指定時間なしであなたが再配依頼されてますけど?ちゃんと午前希望で頼んでくださいよ』


年取った方には正直苦労しちゃいますね。


『というか、10時頃に再配依頼したら午前中に来れませんよ。朝の内か昨日の内にしてください』


なんて言ったら、サービスが悪いだの。最近の若い奴は日本語も理解できないバカだの。

本当に困りますよ。笑うしかないんですよね。

困ったもんです。ホント。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 最近目が見えにくくなりました。急に仕事でミスが増えました。 [一言] いい作品だと思いますが、個人的には落ち込みました((--;)
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