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08.黒の技術


 「…… <マナ・パージ>!」

 アルゲマインの詠唱と共に、アルゲマインの体がマナの光に包まれていく。

 属性に変化させていないマナは本来みることの出来ないはずだが、あまりのマナの密度の高さからか、アルゲマインの体の周りのマナは霧のように可視できる状態となっていた。


 「おいおい…… なんだってんだよ、そのマナの量は。あんた、マナに嫌われているってさっき確かに言ったよな?」

 あまりのマナの濃さにロイドは驚きながら尋ねた。


 「私が一度にマナから力を借りることの出来る量は少ない。だから、私はマナを体に貯めることにしたんだよ。そして、それを開放する呪文が<マナ・パージ>だ。本来であれば、騎士団長との闘いまで温存しておくつもりであったが……」

 アルゲマインは、そう残念そうに呟いた。


 「この体に貯めたマナをいたずらに消費する訳にはいかないのでな。一気に決めさせてもらうぞ……」

 アルゲマインが構えた。


 「俺も結構なダメージをもらっちまったからな。次が最後だ。」

 ロイドはそう言うと炎を大きく噴出させ、アルゲマインに迫った。

 

 「おらぁぁ! くらえっ!」

 スピードにのったロイドの渾身の突きがアルゲマインをとらえる。

 しかし、その一撃は空をきった。


 「なにっ!? どこだ!」

 アルゲマインを見失ったロイドが辺りを探す。


 「これは私が使う武術のなかで唯一、名をつけたものだ…… いくぞ……」

 「後ろか!」

 アルゲマインの声が聞こえ、ロイドは振り返った。

 

 「いつの間にあんなに遠く…… 強化された割には逃げるだけか!」

 そう叫び、距離をロイドは詰めようと走り出す。


 「ロイド! 次に戦う時までに黒の技術を身に着けるのだ! < 零打 >!」

 アルゲマインはロイドに叫び伝えたあと、長い距離を一瞬ので詰め、全く感知出来ていないロイドの体に掌底を叩き込んだ。


 ロイドは勢いよくコロシアムの端まで吹き飛ばされ、その場に倒れ、起き上がることはなかった……


 『第一試合 勝者 アルゲマイン!』 

 アナウンスがそう告げられると、しばらくして会場は大きな盛り上がりをみせた。


 「次までに強くなれ…… <マナ・チャージ>」

 アルゲマインはまだ倒れているロイドにそう呟くと会場を後にした。


―――  第一試合 勝者 アルゲマイン  ―――




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