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05.ロイド VS アルゲマイン


『おまたせいたしました。王国主催、流星杯 第一試合を開始いたします!』

 『第一試合は、魔獣の駆除を専門とする王立ギルドで、大型魔獣を1人で撃退した若き戦士 王立ギルド代表 ロイド 対 10年前、身体強化魔法を発明し、武術に革命を引き起こした武の化身 アルゲマイン です!』


 アナウンスと共に、会場のボルテージは一気に高まっていく。

 凄まじい熱気の中、コロシアムの入場口から、ロイドとアルゲマインが登場した。

 アルゲマインは、ロイドと10歳ほどしか年齢が変わらないはずであるが、研ぎ澄まされた剣のような気迫から、壮年の達人のような雰囲気を醸し出していた。


 ピリピリとした緊張感からか、会場は一気に静まり返った。


 『それでは、第一試合、開始!』

 アナウンスと共に大きな銅鑼の音が鳴り響き、試合開始の合図を告げた。


 開始直後、両者は不動のまま、対峙していた。


 ――― さすが、アルゲマイン…… 打ち込むすきがねぇ。まずは、魔法でけん制し、避けたところを狙う!


 「……いくぜ。 <フレイム・バースト>」

 ロイドの詠唱によって、熱線が真っ直ぐにアルゲマインを襲う。


 「お前も魔法に頼るか…… 所詮は白の戦士といったところか……」

 アルゲマインは、残念そうにつぶやき熱線を手で弾いた。


 「なっ、魔法を素手で!?」

 追撃しようと攻撃の準備をしていたロイドは、驚きのためわずかながら大勢を崩した。

 その瞬間、ロイドの視界からアルゲマインが消えた。


 「がはっ……」

 大勢が崩れた一瞬の隙をつき、アルゲマインの掌底がロイドの胸に打ち込まれ、ロイドはコロシアムの壁まで吹き飛ばされた。


 「残念だよ…… 身体強化を使うものとして少しは期待していたが、魔法に頼るようではまだ甘い……」

 そういってロイドに興味を失ったように、背をむけ歩き始めた。


 「ぐっ…… 勝手に終わらすんじゃねーよ。 そんなに期待してるなら見せてやるからよ、身体強化を。」

 胸を押さえながらロイドは苦しそうに立ち上がった。

 「攻撃を食らう瞬間、身体強化を使って防御力を上げたか…… なかなかおも ―――」


 アルゲマインにロイドのかかと落としが放たれる。しかし、アルゲマインは苦も無く右腕でそれを受け止めた。


 「人が褒めている時ぐらいは、黙って聞くものだ。」

 「武の化身に褒められるなんて恐れ多くてねっ!」


 両者の激しい打ち合いが始まった。

 ロイドの打撃を、すべて腕で受け止めるアルゲマイン。

アルゲマインの打撃を、受け流すか、回避かで対処するロイド。

 より動きの多いロイドはその分、隙ができやすく、徐々に攻撃を食らう回数が多くなってきた。


 ――― アルゲマインの打撃が重すぎで受け止めたら腕にダメージをおってしまう…… 

だけどこのままじゃ、やばいっ!ならっ……


 「この距離なら! <フレイム・ショット>」

 ロイドの右手から威力よりも範囲と数を重視した炎の散弾が放たれる。


 ――― これなら両手でも受けきれない…… アルゲマインがよけたら、一度、体勢を立て直す!


 「こんな惰弱な魔法など……」

 散弾が放たれる中、アルゲマインはロイドに向かって強力な正拳突きを放った。


 「ダメージ覚悟で特攻かよっ!だけど腕の周りだけ魔法が弾かれている? これは、まさか……」

 ロイドの腹に、拳があたり、また壁の方へと吹き飛ばされた。


 腕をだらりとたらし、その場に座り込んだロイドは動くことができずに沈黙した……



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