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04.流星杯 本選


 ――――― 流星杯 当日

 

試合は、ヴァイスが学生予選で戦った魔法学校の模擬戦闘場で行われる。

 会場はコロシアム状になっており、すでに観客席は多くの人で埋まって、ものすごい活気と熱気に溢れていた。


 「ヴァイス、俺だ! 入ってもいいか?」

 ロイドが1人1人に用意された控え室のヴァイスの部屋の扉をノックしながら尋ねた。

 「えぇ、いいですよ。」

 ヴァイスがそう答えると、珍しく緊張した面持ちでロイドが控え室へ入ってきた。

 

「とうとう本選か…… 俺の相手はあのアルゲマインだぜ? 伝説の武術家に勝てる気がしねぇよ。」

 「ロイド、あなたがそんな弱気な発言をするとは意外ですね…… あなたのマナを使用した身体強化は一級品です。アルゲマインに劣るとは考えにくいですが……」

 弱気な発言をするロイドに対して、神妙な面持ちでヴァイスは答えた。


 「その身体強化を発明したのが、アルゲマインなんだよ……」

 「なんだ、そんなことですか。」

 「そんなことってなんだよ! 相手は身体強化の達人だ。俺の強化が通用するかどうか……」

 自分の悩みを簡単に返されたロイドは、興奮気味に答えた。


 「ロイドの魔法は簡単には破られませんよ。第一、魔法を考えた人に勝てないのなら、多くの魔法を発明したヘクセライやヘラに私は絶対に勝てないことになります。」

 ヴァイスは、ニコッと笑いながらロイドを諭した。


 「そ、それもそうか…… やっぱ天才と話すと違うな! やれる気がしてきたぜ。ありがとな、ヴァイス!」

 「いえいえ、ただしトーナメントを勝ち上がって戦うことになったら、手加減はしませんからね。」

 「分かっているぜ。俺も同じ世代では誰が一番強いか分からせてやるさ!」

 先ほどまでの緊張した顔はもうロイドにはなく、その眼には闘志が宿っていた。


 『―――――― まもなく第一試合を開始します。ご観覧の皆様は選手同士による高レベルな試合をお楽しみください。』

 『第一試合は 王立ギルド代表 ロイド VS 武術家 アルゲマイン です。』


 会場全体にアナウンス放送が響く。

 

「もう時間か…… ヴァイス、先にパパっと勝って準々決勝に進むからよ。追いついて来いよ!」

 「分かりました。ロイド、頑張ってください。」

 「おう!」

 そういってヴァイスは控え室をでていく友の姿を見送った。


 ――― いよいよ始まりましたか。私はなんとしてもこの大会、負ける訳にはいきません。マナよ、私にご加護を……




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