表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
71/85

過去>>>未来《11》

俺は距離を詰めて天龍先輩が異次元に逃げ込む前に仕留めようとした。


狙うのは視界を奪うための眼球だ。


聖剣での一閃。


魔剣は腹部を貫こうとした。


しかし、俺が腕を振り切るよりも早く天龍先輩が俺の親指を潰してきた。


思わず聖剣を握る力が緩む。


この程度でひるむわけにはいかない…


俺は構わず魔剣を振り切ったが、そこに天龍先輩の姿はなかった。


「…っ!?」


「早いけど動きが単調過ぎるよ。何をそんなに焦ってるのかな?」


背後から声がした。


俺は急いで距離をとった。


…焦る理由もわかってくるせに……


異次元に逃げ込まれたら正直追いかけようがない。


天龍先輩もそれを分かってるからこそ、敢えて俺の心をかき乱して楽しんでいるのだ。


根っからの戦闘狂だ…


なぜ気付かなかった…!


俺は冷静に床に散らばったナイフを一本だけ拾い、『祝福(ブレッシング)』で4本生成した。


「ワンパターンだね君も。…僕を楽しませて欲しいんだけど…」


「ワンパターンかどうかはやってみないとわかりませんよ」


右手の指の間にナイフを挟み、2本のタイミングをずらして投げた。


早すぎて俺の目にも微かにしか写らない。


そして、俺はオリジナルからまた2本生成し左手で同じように投げた。


左右交互に投げていく。


一定空間範囲内におけるナイフの連射だ。


これなら天龍先輩でも無傷では済まないはず。


天龍先輩は微動だにせずに口を開いた。


「君は勘違いしているよ」


俺は自分の目を疑った。


天龍先輩の体を、俺のナイフがすり抜けたのだ…


「……っ…!?」


驚愕のあまり言葉を失ってしまった。


…考えられる可能性としては…まさか……


「その表情は、気付いたのかな?」


「…俺の予測が当たってるとしたら現時点で逃げるしか選択肢がないですね」


「……逃がすと思う?」


天龍先輩が目の前から消えた。


俺は全神経を集中させた。


今は逃げ切れても必ず追いかけてくる。


もし勝機があるとするなら…その時だ。


出口に向かって全力で駆けた。


「逃がさないって言ってるのに」


耳元で声が聞こえた。


だが、俺は振り返らない…!


天龍先輩の蹴りが俺の脳天をかすめた。


走れ!走れ!


次の瞬間、床が赤色に染まった。


天龍先輩の投げたナイフが俺の足に刺さったのだ。


神聖力を込めたナイフによって完全に風穴が空いていた。


「…ぐっ……」


俺は痛みで転んでしまった。


「……助けて…ください…」


「だめだめ。さっきあれだけイキがっておいて、今更謝罪とかがっかりさせないで欲しいなぁ」


「………命だけは……お願いします…」


俺は天龍先輩の足にしがみついた。


「じゃあ、こうしよう。君をユリって女の子の前で殺してあげるから、捕まってよ」


そんなことされたらユリが悲しむ。


まっぴらごめんだ。


「……やっとだ…」


「…ん?………なっ!?…」


次の瞬間、天龍先輩はもがき苦しみ始めた。


「はぁ…っ……くそっ…!!」


異次元に逃げるつもりか…!


俺は魔剣で天龍先輩の体を貫いた。


「……な…にを…っ」


「…空気中の酸素を増やしました」


空気中の酸素を増やすにはかなりの狭い範囲で繊細な作業が必要だ。


だからこそ、しがみついて『祝福(ブレッシング)』を阻止しながらの作業が必要だった。


前に天龍先輩は、異次元への移動の時に俺に触れておくように言った。


つまり…それで動きを封じれるということだ。


「………助け…」


「とりあえず、今は気絶しててください」


俺は聖剣で天龍先輩の首を切った。


「さてと…ユリを返してもらおうかな」


風穴の空いた足を引きづりながら俺は歩みを進めた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ