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過去>>>未来《6》

リリーさんの家に着いてから、ようやくユリがあとを尾けて来ていないことに気づいた。


大長老様の家での事が俺の心にこびりついてユリにまで気を回す余裕がなかったのだ。


どうしてもあの家の雰囲気には慣れない…


大長老様の家の中に入るまでは確かにユリはいた。


リリーさんは気付いていなかったのか…?


俺は家の中に入ろうとしていたリリーさんにさりげなく聞いてみた。


「尾けてきていたユリの気配消えましたね」


「…?何言ってんだい。ユリが尾けてきてなんかないさ。」


…そんなはずはない。


俺は確かに気配を感じていた…。


……感じていた…。


…そうだ、俺は気配を感じていただけだ。


ユリだと完全に思い込んでいた…っ!


「ユリは今、どこにいるんですか…?」


…嫌な予感がする……


「待ってな。今探してやるから」


そう言うとリリーさんは目を閉じて集中し始めた。


魔力で探しているのだろう。


…ここで俺は疑問に思った。


……魔力探知をしなければいけないほどユリの現在地は離れているのか…?


近ければ魔力探知なんてする必要が無いはずだ。


…この短時間にどうやって移動したんだ…。。


もちろん俺がやらないのには理由がある。


ユリの魔力を覚えていないからだ。


マリア、生徒会長、茜先生くらいしか覚えていない。


そもそも俺は魔力とか神聖力を探るよりも気配を頼るタイプだ。


あまりこういうのは得意ではない。


「…いた…!なんであんなところにいるんだい…?」


リリーさんは怪訝そうな表情をしていた。


「…どこにいるんですか?」


「……精霊の祭壇さ」


「精霊の祭壇…?」


名前からして精霊と契約出来そうな場所ではあるが…


「七大精霊と契約するための場所さ。この村の一番奥にある洞窟だよ。」


……やっぱりか。


一人で行ったのか…?


それとも…


「俺、迎えに行ってきます…!」


「…気を付けるんだよ。他にも嫌な魔力を感じたからね」


そいつがユリを連れて行ったのか…


これでユリが一人で向かったという可能性は消えたわけだ。


俺は全身に神聖力をまとって洞窟まで駆け抜けた。


洞窟には2分足らずで辿り着いた。


洞窟の中は薄暗くジメジメとしていた。


祭壇というからには自然のままの形を残しているのかと思っていたが、案外洞窟の中は丁寧に整備されているようだったので、足場が不安定などということは無かった。


洞窟の最深部に行くために歩みを進めると、奥の方から少しばかり明かりが見えた。


ここが最深部なのか…?


明かりは祭壇から出ていたものだった。


ひらけた広場のような空間の中央に、半透明な透き通ったクリスタルのようなもので出来た祭壇が鎮座していた。


あの祭壇…嫌な雰囲気だな…


俺が祭壇に気を取られていると、後ろから声が聞こえた。


「あら?来たのはリリーさんじゃないのね」


振り返ると…


忘れもしない顔がそこにはあった…


俺たちの時代で先代勇者の妻だった女が薄ら笑いを浮かべて佇んでいた。

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