過去>>>未来《1》
「……ここはどこだ…?」
俺は気が付くと森の中で倒れていた。
俺は胸元のネックレスを確認した。
よかった…聖剣と魔剣はちゃんとある…。
今は時間的には夜なのだろうか…?
辺りは暗く、巨木が生い茂り視界が悪い。
正確には視界はそれほど悪くはないのだが、木が巨大すぎるせいで木と木の合間の感覚が狭く感じる。
それでも木の感覚は10メートルほどはある。
とりあえず、俺はいつまでもここにいても仕方ないと思い森の出口を探して歩くことにした…。
だが、俺は少し歩いて違和感を覚えた。
…この森…風が吹いていない…。
森で無風なんて絶対にありえない。
もしかして、、、誰かの“能力”…?
いや、“能力”にしては規模がデカすぎる。
とにかく、今は歩き続けるしかないか…。
俺は足を動かし続けた。
…やっぱりだ。
5分ほど歩いて分かったことがある。
この場所…目が覚めたのと同じ場所だ。
つまりこれは…っ!!
……頑張っても無駄か…。
よし、少し休もう…。
俺は寝ることにした。
えっ…!?
寝ちゃった…!
…確かに自力では抜け出せないけど、この状況で寝るなんてまともじゃないよ…。
…はっ…!まさか…っ!
私に気付いたから寝たふりでおびき出そうと…!
危ない危ない…。
そんな卑怯な罠にかかるユリちゃんじゃないんだよ…っ!
それにしても…。
このままこっそり見ててもあの人寝てるだけだし…。
…私も寝ようかな…。
…眠い……。
知らないうちに私は眠りについていた。
「おーい」
声がする。
「おーーい」
…誰かがほっぺたを揉んでいる気がした。
…夢か……。
って…!
「夢じゃない…!?」
「おっ…やっと起きた」
目の前には、昨日森を歩くのを諦めて眠りについた男の子が立っていた。
「…私何も知らないから…!」
「ん…?」
「私…!この森が迷いの森っていう森だなんて知らないから…!!」
「ふむふむ。この森は迷いの森っていうんだね」
「…はっ……」
ついつい口が滑ってしまった…
もう余計なことは喋らないようにしよう…!
「と、ところで…なんで私が後ろから付いてきてるってわかったの?」
「…え?君、俺のことつけてたの?」
…穴があったら…入るより埋まりたい……
「…何も知らないもん……」
「ふーーん…」
…うっ…そんな疑うような目で見ないで…
「じゃあ、私もう行くね…!」
私は我慢出来ずにその場を立ち去ろうとした。
きっと何か私から情報を聞き出そうとするに違いない…!
もう絶対に喋らない…!
だから何を聞かれてもいいようにしないと…
「わかった!じゃあ、俺はもう行くよ。」
そう言うと男の子は去って行った。
…あれ?
案外呆気ない…
まっ、いいか…!
とりあえずお婆ちゃんにさっきの男の子の事伝えないと…!
私は大急ぎで家へと向かった。
この迷いの森は決まった道筋じゃないと絶対に出れないようになっていて、これを知っているのは魔女の里に住んでいる人たちだけ。
つまり、この森は…魔女の里を守るための結界なのだ。
10分くらい走ると魔女の里に着いた。
そこから家まで5分ほどだ。
私は家に向かおうとしたが…後ろで声がした。
「あの森って結界になってたんだね」
「…なっ、な…!なんでいるの…っ!?」
「なんでって…あとを付けてきたから?」
私が気配に気づかなかった…?
有り得ない…っ!
「そんな変質者みたいな真似許されるわけないでしょ…!」
「…さっき君もしてたよね……」
「…うっ…」
言い返せなかった…。
先にあとを付けたのは私、それについては言い訳するつもりは無い。
でも、気になってしまった…。
男という生き物を生まれて初めて見たから、興味がすごく湧いてしまった。
魔女の里に男はいない。
優秀な魔力を持つ、女の子の赤ん坊だけがこの魔女の里に魔界から連れてこられる。
言わばこの里は…魔法に特化した里。
だから、男が来たなんて皆知ったらきっと大変なことになる。
「とにかく…私の家に来て」
「見ず知らずの人の家に行くのも…」
「知りたい事教えてあげるから!」
「うーん………。じゃあ、アテも無いし、お邪魔させてもらおうかな」
私はこの男の子を家まで連れて帰った。




