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魔剣を売ったら来世で引きこもりにジョブチェンジできた件  作者: kinako
2章『ほんの少しのやる気』
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コンクール>>>日常《3》

翌日、俺は生徒会室に行き、生徒会長に昨日起きたことを話した。


「……そう。マリアが……」


生徒会長は酷く悲しんでいる様子だった。


だけど、俺はマリアにまたすぐ会えると思っていた。


「で、でも、生徒会長は前に聖剣が壊れなければ大丈夫って言ってませんでしたか…?」


「……確かにそう言ったわ。でもね、マリアの意識が戻るかどうかは賭けだったのよ」


…俺の心の余裕は一瞬で崩れ去った


「…えっ…?」


「…前はあの子自身が何かしらの方法で神聖力を元からある程度体内に持っていたのよ。そのおかげで前回は帰ってこれた。もちろん貴方のおかげも多少なりともあったけど、今回はマリア自身の神聖力が弱まり過ぎている。聖剣の力は残っても、マリアの意識はなくなる可能性が高いわ。」


「……じゃあ、マリアはずっと…」


「…聖剣に囚われたままね」


マリアの言っていた2000年前の天界も気になる。


解決策が何かあるのか…?


「…マリアは俺に2000年前の天界に行くように言ってきました。どうやって行くんですか…?それに、そこに何かあるんですか?」


生徒会長は言うのを躊躇っていたように見えたが、口を開いた。


「行き方は察しがついているわ。あと、マリアが聖剣にされた時期に近いわね。」


「……今回の事とどんな関係が…?」


「…もしかすると、マリアが死ぬのは避けられないことなんじゃないかしら?貴方の前に現れた、貴方と同じ“能力”を持っていた人。その人もマリアも救うって言ってたにも関わらず自分の手で殺したのよね…?それって、あの人が今のマリアにこだわっていない理由にならないかしら?」


「今のマリア…?まるでマリアが複数いるみたいですね」


「…いるじゃない。過去とパラレルワールドに、たくさんね。」


「……っ!!…まさか…!」


「そうよ……。。あの人の未来でも同じようにマリアが殺された。そして過去へと戻ったあの人はマリアを救うことに失敗をしたのよ。」


「…やっぱり、、未来の、、、俺」


察しはついていたが他人から指摘されるのと自分で考えるのとでは深刻さがケタ違いだった。


自分で考えるなら思い込みで済まされる…でも…推測が重なるならそれは事実に近付いてしまう。


「…ということは生徒会長は過去への行き方を知っているんですか…?」


「知ってるわ。というより元々マリアの“能力”がそれだったのよ」


マリアの“能力”が過去へ行くことが出来る“能力”?


それなら今の聖剣のこの力はなんだ…


まるで時間を…


「本当にそれだけですか?」


俺は疑問をぶつけた。


「…時間を支配出来る“能力”よ」


……やっぱり…


でもさすがに支配はありえない“能力”だ。


凶悪過ぎる。


「時間は前に進み続けるのよ。だからこそ、聖剣で扱える“能力”はせいぜい極限まで進行を遅くする事くらいなはずよ。でも、強大な神聖力があればその流れに逆らえるわ。マリア自身の神聖力自体は並だったから、過去に行ったことなんてないでしょうけど。」


「どれくらいの量が必要なんですか?」


きっと尋常じゃない量に違いない…


「私と黒城くんの神聖力1年分くらいかしら?」


無理に近い……


それに…


「昨日の奴は聖剣の力を持っていなかった。聖剣を腰に指していたのに…です。それって、聖剣自体の力はマリアが死んでから徐々に失われるんじゃないですか?つまり、そんなに待ってたらきっと…」


「…過去には行けなくなるわね」


時間もない…どうすればいい…?


「仕方ないわ…諦めましょう」


「なっ…!?自分の妹見殺しにするんですか…!」


俺は怒りを抑えた…


「私は1度妹を見殺しにしているわ。それに、貴方、気付いてないかもでしょうけど、、、未来の貴方は一度失敗してるのよ?」


「…どうして分かるんですか?」


「マリアの言った2000年前、それが運命の分かれ道だかからよ。」


俺は怒りに飲まれないように冷静に思考を働かせようとした。


「聖剣…ですか」


「そうよ。聖剣が作られなかったらこの未来は確実になかったわ。」


そして、俺がマリアに会うこともなかった。


「でも、聖剣が作られなかったら魔神が……」


「その時はその時よ。そして貴方は失敗をした。世界は平和かもしれないけど、貴方にとっては自分の側にいてくれるマリアがいないなんて耐えれるかしら?」


そうだ。


俺には我慢出来ない。


「…だから、、、もう1度過去に戻ろうと…?」


「そうね…。。」


「…でも、俺はどうにかして1度は過去に戻ったんですよね?」


「…そうね」


「俺、諦めませんから。」


俺はこれ以上話しても無駄だと思い生徒会室を出た。

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