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魔剣を売ったら来世で引きこもりにジョブチェンジできた件  作者: kinako
2章『ほんの少しのやる気』
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下界>>>天界《終》

翌日の放課後、俺と天宝寺は生徒会長に呼び出されていた。


「話ってなんですか?」


「情報交換をしておきたいと思ったのよ。それに、天宝寺さんにも天界のこととか話しておきたいもの。」


生徒会長の表情には巻き込みたくないと書いてあったが、今回は天宝寺が現場にいたのも事実だ。


話さない訳にはいかないのだろう。


生徒会長は天宝寺に今回の一連の件について話した。


「王馬くんが魔王で、魔神復活を止めに魔界に行った…と。ふむふむ。そっか…ウリくんは敵になっちゃったんですね。」


天宝寺はそこに1番ショックを受けていたらしい。


「なった……。というより元々あっち側の魔族だったみたいね。私は記憶を持ったまま閻魔様に下界に転生させて貰ったのだけど。彼とは会った時の事を詳しく覚えていないのに、彼とずっと前からの知り合いのような記憶もあるのよ。彼が魔界を抜け出せたり、彼の仲間も魔界に出入り出来たのは彼の“能力”のおかげね」


この話から察するに、ウリはワープもしくは空間系の“能力”だろう。


やっぱり…先代勇者の奥さんの“能力”は記憶の消去ではなく書き換え。


発動条件はわからないが、顔は覚えた。


次からは警戒することも出来る。


「ウリくんと闘うんですか…?」


天宝寺は不安そうに聞いた。


「いいえ。もし私と黒城くんの予想が正しかったら、闘わなくていいはずよ」


「どういうことですか…?」


「先代勇者を解放するのが目的なら、魔神を復活させなくても方法はあるはずだし、魔神が復活しても俺たちの敵は魔神だからね。」


横槍を挟むのはあまり好きじゃないけど、つい口を出してしまった。


「そうね。もし私達が動くとするなら校長先生が帰ってこなかった時だけだわ」


「…戦わなくても済むんですね」


天宝寺は少し安心したようだった。


校長先生が帰ってこなかった時が最悪の展開だ…


だけど今は待つしかない…


俺たちの日常に戻れると信じて。


言い知れぬ不安を残したまま俺たちは家路についた。


「…なにしてるの?」


「えっとね、ミカくんの帰り待ってたの」


家に帰るとマリアが正座をしていた。


「なんで正座…?」


「絵、破けちゃった。」


「…あっ。」


完全に忘れていた。


俺は絵を描いている途中だった。


「大丈夫だよ。明日からまた描くからさ」


「ほんとに…?」


上目遣いでマリアが見てくる。


可愛い。


「うんうん。もっと上手く描いてみせるよ!」


「むぅ…。。じゃあ、私も明日から手伝う」


え…?


それは、、学校に来るということかな、、?


「いやいや、マリアがわざわざ手伝わなくても大丈夫だよ」


「だって、それだと私の気が済まないの」


マリアが頬を膨らませていた。


あれ…?


怒られてたの俺だったっけ…?


「じゃあ、明日から放課後美術室で待ち合わせしよ」


「わーい。ミカくん大好き。ぎゅーっ」


やっぱりマリアの笑顔は最高だ。


だから明日からのことなんて考えなくてもいい。


俺にとっては今この笑顔を守ることが一番大切だった。

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