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魔剣を売ったら来世で引きこもりにジョブチェンジできた件  作者: kinako
1章『引きこもりがやる気を見せるまで』
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金>>>越えられない壁>>>青春《終》

俺は帰宅後真っ先にネックレスの山へと向かった。


これを売らなければならない…。


さっき先生からクラブを決めるようにと言われた。


今のところお金には困っていないが、これからクラブや友達と遊んだり、お金の用途が増えてしまい困るかもしれない。


そう考えると、ネックレスを売ること以外頭に入らなかった。


しかし、質屋は成人していないと親の許可が必要だ。


ましてや高校生がネックレスを売るなど怪しすぎる。


そこで俺は幾つかの選択肢を思い浮かべた。


1つ、先生か親に頼む。


事情を話せばわかってくれるだろうが大金になる可能性もあり得る。


その時先生は生徒を間違った方向に導かないように行動してしまう気がする…


親はダメだ。


家にいないから会う機会がない。


故に却下。


2つ、ネットオークションで格安で大量に出品する。


オークションなら親のパソコンで出来るだろうし誰にもバレずに秘密裏に処理できる。


うまくいきそうだ…保留にしておこう。


3つ、俺の年齢を誤魔化してくれる能力者を探す。


幻覚系の能力者が妥当だろう。


先生にさり気なく聞いたら教えてくれるかもしれない。


よし。


2つめと3つめの案を同時進行させよう。


俺は方針が決まったことに安堵を覚えつつ、まず2つめの案を進めるために両親の部屋へと向かった。


パソコンがあるのは父の部屋だ。


いつも仕事で居ないのに綺麗に手入れされている。


家族の写真などは一枚も飾られておらず、本棚には仕事関係の本ばかり。


ここで違和感を覚えた。


生活感がなさすぎる。


家に帰ってきてないから当たり前だと言われればそれまでなのだが、それよりも父個人の情報があまりにも無さすぎる。


、、、なんだこの嫌悪感は…?


母の部屋も同じように感じた。


最近両親が家に帰ってきたのはいつだ…?


思い出せない…。。


編入の時も書類の手続きは俺がするまでもなく終わっていた。


両親がやっていたと思っていた。


もしかしたら、、、俺は思い違いをしているのかもしれない。


…心臓の音が高鳴り…冷や汗が滲む。


しかし、今は普段通りに生活するのが最善だ。。。


それに俺が感じた違和感は勘違いかもしれない。


可能性の一つとして頭の隅に置いておこう。


親が帰ってきた時にまた聞けばいい。


だから、今回のネックレスは諦め………………きれるわけがない。


目の前に大金が積んであって手に入れたいと思うのは至極当然の事だ。


我慢出来ずに俺はパソコンを起動させた。


『PassCodeを入力してください』


…俺の選択肢は3以外になくなった。



次の日、俺はいつもより早めに登校して職員室を訪ねていた。


「先生。この学校のランキング制度について教えてください。それと、知っている能力者の情報の開示を希望します」


我ながらさり気なく能力者を聞き出すのに最善の選択だと思った。


ランキング制度に興味がある風を装えば、ほかの能力者についての情報を知りたいのは当然のこと。


これで金ヅル…いや、協力者を見つけることが出来る。


先生はいつもの軽い雰囲気のままやんわりと断った


「ランキング制度についてなら教えてあげるけど~能力者にとって“能力”が正確に相手に知られるのは致命的なのよね~だから~教えることは出来ないの~」


ランキング制度についてならある程度知っている。


年に1度行われる『神聖天舞会』に出場する代表を決めるための制度だ。


毎年出れるのは1位のみ。


もちろん俺は出る気などない。


名誉や力などに興味はないのだ。


それに…俺の能力は戦闘には不向き過ぎる。


だが、俺は前に見た演習場を思い出していた。


あの戦場なら俺の能力も役に立つかもしれない。


……なるほど。


あの戦場は能力者のための戦場だったのか。


だが、俺にとっては金の方が魅力的だ。


先生がランキング制度について説明していたが俺の頭の中は能力者を探すことで頭がいっぱいだった。


「じゃあ、ランキング制度頑張ってね~」


先生は話終えたのか、HRの準備をしようとしていた。


「ありがとうございました。」


俺は軽くお辞儀をすると職員室を出た。


廊下を歩きながら俺は能力者探しへと思考を傾けていた。



「黒城くんどうしたの?元気ないね」


昼休み天宝寺が声をかけてきた。


今日は普通に目をあわしてくれている。


さすがに昨日あれだけ茹で蛸みたいになっていたから冷めたのだろうか。


俺は藁にもすがる思いで唯一の話し相手に悩みを打ち明けることにした。


「幻覚を見せれる能力者知らないかな…?軽い勘違い程度の幻覚でいいんだけど…」


「私使えるよ」


「…へ?」


「私の“能力”。相手の視覚に少しだけ干渉できるの」


今説明してくれた“能力”が彼女の力の全てかはわからないが、これで俺はお金が手に入る。


俺は流石にタダで協力してもらうのは悪いと思い、今回の計画についての全容を説明と、それに伴う報酬の話をした。


事情も説明して渋々納得してもらった。



そして俺は、その日から…


大量の金と共に引きこもりとなった…

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