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魔剣を売ったら来世で引きこもりにジョブチェンジできた件  作者: kinako
2章『ほんの少しのやる気』
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下界>>>天界《13》

やっぱりだ…


ネックレスに神聖力と魔力の両方を流したら聖剣と魔剣が具現化された。


魔王戦の時は違和感を感じなかったのだが、後々考えると先代勇者の“能力”が俺と同じなわけがない。


もしかしたらあの形は封印した魔剣と対になる形の結果ではないかと思ったのだ。


「ふぅん。不思議な剣だね」


アイリスさんはじっくりと俺の双剣を見つめてきた。


アイリスさんの“能力”も謎だ。


迂闊には手を出せない。


「来ないのー?じゃあ、私からいくよ!」


一瞬だけ目の前の空間が歪んだ。


空気が振動する…


これは何かやばい…


俺はとっさに全力で回避をした。


すると突然、さっき俺がいた場所の地面が深く抉れた。


「なっ…!?」


あの深さ…


圧力か何かを加えたのか…?


しかし、思考を巡らせる暇もなく追撃がきた。


「あれ?避けられちゃったかー。じゃあ、次はもっと広めに行くよー。」


俺の周辺の空間すべてが歪んだ。


こんなにも範囲を広げれるのか…!?


体感で俺を中心に半径15メートルほどの円を描くような形で空間の歪みが一瞬見えた。


しかし、俺の中から脱出するという選択肢が消えてしまった。


空間の歪みが生徒会長まで届いていたのだ。


「…雪……っ!」


俺はとっさに生徒会長の腕を掴んで放り投げた。


地響きと共に大地が歪んだ。


いや、砕けた…


さっきとは威力も桁違いだ。


俺は体に強烈な衝撃を感じた。


息が出来ない…骨が軋んで体の中身まで潰されているような感覚だった。


「君なかなか勇気あるねー。ユライアを庇うなんてさ。でも、勝負はあったね」


骨が折れ始めた音が聞こえた。


直に臓器まで潰され始めるだろう。


だが、俺は諦める訳にはいかない…。


「まだ…だ…」


苦しい。


意識が薄れていく…


神聖力と魔力を体に込めて抜け出そうとしているが、ピクリとも動かない。


…俺が初めから本気を出していたら勝てたかもしれない。


魔王を倒した時のあの力を…


けど、それだときっと俺は殺してしまっていた。


俺にはそんなことは出来なかった…


殺さずに俺は勝てていたのか…?


いや、今這いつくばっているのは俺だ…


結果として俺は負けている…


今更何を言っても無駄だ。


だめだ…


意識が遠のく…


だが、遠のいていく意識を引き戻すかのように声が聞こえた。


「立って!貴方を待ってくれている人がいることを思い出しなさい!」


……あぁ…


そうだ…


俺は、誰かを殺すとか殺さないとかじゃない…


みんなと普通に過ごしたいから今ここにいる…


突然…頭の中に、とある光景がフラッシュバックされた。


白雪(スノーホワイト)と呼ばれている天使の女の子が聖剣に変えられ、百合(ユリ)と呼ばれている悪魔の女の子が魔剣に変えられる。


白雪(スノーホワイト)という女の子はマリアにそっくりだった。


そうか…


それが聖剣と魔剣の本当の名前か…


でもなぜ、こんな過去の記憶が流れ込んで来るんだ…


いや、今はそれよりも…


目の前の敵を…!


「……いつまで眠ってんだ…!!!起きろ…!白雪(スノーホワイト)百合(ユリ)…俺に力を貸せ…!!」


俺は聖剣と魔剣に限界まで神聖力と魔力を流し込んだ。


次の瞬間、全ての時が静止した…


…いや、極限まで遅くなったのか…?


俺は渾身の力で鉛のような空間から抜け出した。


そして、時は正常に動き出した。


「なんだ…?今のは…」


…抜け出した時一瞬体が軽くなったような気がしたが…


「君、なんなのかな…?その力は…。。今一瞬君が消えたように見えたよ」


今のは、魔王と戦った時にも一瞬だったが経験していた。


あの時は俺が早くなっていただけだと思っていたが…


聖剣の力か…


それなら、、、魔剣は?


いや、今はそれより目の前の敵に集中しよう。


「仕切り直しといきましょう。」


俺は聖剣と魔剣を構え直した。


「君は化け物だよ……。。でも、君がどれだけ早く動けようとも次で終わらせるよ…!」


次の瞬間、地獄の門からここまでの空間すべてが歪んでいた。


逃げ場などない…


「君がいくら化け物でも、これは避けれないよね……なっ…!?」


俺はアイリスさんの首元に聖剣を突き付けていた。


「今ならまだ殺しません」


少しでも動いたら首を切る覚悟だった。


「……その甘さが命取りになるんだよ!」


アイリスさんは“能力”を迷わず使おうとした。


あれは甘さではなく、本当の警告だったのだが…。


「……さよなら…」


俺はアイリスさんの首と心臓を貫いた。

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