下界>>>天界《9》
「私、閻魔様苦手なのよ」
生徒会長がとても嫌そうな表情をしていた。
生徒会長が嫌いそうな人って案外まともな人のような気がした。
「閻魔様ってどんな人なんですか?」
「口うるさいのよ…」
「口うるさいとはなんだ…。閻魔は正義感が強くてとても良い奴だと私は思っている」
やはり。
生徒会長は説教でもされたのだろう。
その光景が容易に思い描けた。
「でも、なんで閻魔様なのかしら?」
それもそうだ。
閻魔様と勇者がどう関係しているのだろう?
「閻魔は先代勇者と仲が良くてな。若しかしたら奴なら勇者が最後に居た場所を知ってるかもしれん」
「…それなら行ってみる価値はあるわね」
生徒会長は渋々納得していた。
「どこに行けばいいんですか?」
「この城の裏手に天国への入り口がある。それを通ると閻魔の屋敷まで飛ばされる仕組みになっておる」
…なんで閻魔様の屋敷なんだ?
「天国の入り口なのに閻魔様の屋敷まで飛ばされるんですか?」
「天国に入る者、地獄に入る者、転生する者、全て閻魔が管理しておるからな」
つまり、全ての魂が閻魔の手のひらの上ってことか…
「す、すごいですね…」
上手くコメントできなかったので在り来りな言葉で済ませた。
「さてと、長話も済んだことだ。食事にしよう。」
大天使は俺たちに食事を勧めた。
食卓には野菜が主流の料理が多く、色鮮やかでどれも美味しかった。
しかし、俺は肉を食べたかったのだ。
目の前にある料理に手をつけながら、俺はマリアの料理を思い出していた。
俺達は食事を済ませたあと天国への門に馬車で向かった。
「気をつけるのだぞ…閻魔の奴は嘘つきが大嫌いだ。正直者であることが最善だと思った方がよい。」
「……ありがとう父様」
「大天使様ありがとうございました」
「健闘を祈る」
俺達はお礼を言って天国への門をくぐった。
門を通るとフラフラとした目眩と共に視界を奪われた。
目を開けると、目の前に大きな屋敷が建っていた。
豪華な日本風の庭園と屋敷だ。
それにしても…デカい。
屋根まで俺の身長の5倍くらいはありそうだ。
閻魔様はそれだけ巨大な人なのか…?
俺は疑問に思いつつ生徒会長と屋敷の入り口へと向かった。
屋敷の前には2匹の鬼が立っていた。
身長的には俺と大差ないだろう。
「閻魔様に会わせていただけませんか?」
俺は鬼に向かって話しかけた。
「閻魔様は今出かけておられる。1番奥の部屋で待っておくと良い」
俺達は屋敷の奥へと連れていかれた。
通された部屋は広大な広さだった。
俺達は部屋の入り口の前に座り込んだ。
「こんなに閻魔様ってデカいんですか?」
「えぇ。デカいわよ…」
「ふむ…客人と聞いていたがユライアとミカか」
背後から声が聞こえた。
慌てて振り向くと身長1メートルあるかないかくらいの男の子が立っていた。
「……態度がね」
俺は想像と違いすぎて愕然としていた。




