ランキング戦>>>中間試験《9》
俺は家に帰ると真面目な表情でマリアと向き合っていた。
「魔王と聖剣について教えてもらえないかな?」
「むぅ…あまり言いたくはないんだけどね」
「お願い。この前言ってたランキング戦に魔王の生まれ変わりがいるらしいんだよ。前世の記憶が無いから、能力者としては未熟らしいけどね。」
「…それ、、ほんと、、?」
「…うん」
「だとしたら、ミカくんに勝ち目はないかもね」
ストレートに言われてしまった。
「…マリアは魔王の“能力”について何か知ってるの?」
「知ってるよ」
知った上で勝てないと言っているのか…
「だけど、俺が勝たないと魔王はランキング戦の枠を超えて人を傷つけるかもしれない。だから、、、俺はランキング戦で魔王に勝つしかないんだ…!」
俺は天宝寺と約束した。
だから、逃げるわけにはいかない。
「……仕方ないなぁミカくんは。聖剣と魔王について教えてあげるね」
やれやれと言わんばかりに、マリアは聖剣と魔王について説明してくれた。
「聖剣はね、このネックレスだよ。」
そう言うと、マリアは自分の首に付けていたネックレスを俺に渡してきた。
「マリアはマリアそのものが力って言ってなかった?」
「えっとね、もともと聖剣っていうのは私が天使だった頃の魂を核にして作られたの。つまり、今の私は私という意識を神聖力によって保っている状態ね。安心して。ネックレスそのものに聖剣の力は組み込まれているから、今はもう私が中に戻らなくても大丈夫だよ。」
「じゃあ、聖剣にするにはこのネックレスをどうすればいいの?」
「そのネックレスに神聖力を流してみて。そうすれば聖剣になるから。流し続けている間は聖剣のままだよ。」
「…そもそも神聖力ってなに?」
「天使だけが持つ力のこと。魔族なら魔力だね。ミカくんはどっちも持ってるはずだよ?ネックレスに集中して意識を向ければきっと応えてくれるはず。」
「…………何も起こらないよ?」
「…あれぇ?おかしいなぁ…。ま、まあ、これで説明は終わりだからねっ!」
親指立てなくていいから…全然大丈夫じゃないから…
「じゃあ、次は魔王の“能力”について説明するね。」
「その前に、魔王はなんで転生したの?」
「わからない…殺された…?魔王を殺せるほどの魔族はあの時魔界にはいなかったと思うけど…。天界と争ってたってこともなかったし、死ぬ要素なんて全くないのよね。」
「もしかして、、、自ら命を絶ったとか…?」
「そんなわけないでしょ。魔王が自ら命を絶つなんて笑い話にすらならないわよ」
…我ながら有りえない考えだったが、最強の魔族が他の魔族に殺されるところなんて想像もできなかった。
「だよね…。じゃあ、魔王の“能力”について教えてよ」
「魔王の“能力”は『王族の特権』。そこまで細かくは知らないんだけどね、魔王が殺意を込めて発した言葉通りの未来になるの。」
「それ、俺勝ち目ある…?」
「だから言ったの。勝てないって……。でも、さっきミカくんが他の人の心配してた時の表情かっこ良かった。だから、、、負けて欲しくない…」
マリアは真っ直ぐに俺を見ていた。
いつもの可愛らしくほのぼのとした雰囲気とは違って、凛としていた。
それだけマリアも真剣ということか…
よし。
魔王に勝とう。
~ランキング戦まで、後一週間~




