ランキング戦>>>中間試験《6》
天宝寺と家に帰ると、リビングでマリアがテレビを見ながら寝転んでお菓子を食べていた。
「はっ…ミカくん奈々ちゃんおかえり!」
「……マリア行儀が悪いよ」
「奈々ちゃんがね、ゴロゴロするのは最高だー!って言うから真似してみたの」
俺は天宝寺をじーっと見ていた。
「マリアに何教えたの…?」
「……い、いやー、、、なんだったかなー…?」
これ絶対ダメな事教えてるな…
でも今はそれよりも空腹に耐えれそうになかった。
「マリア、天宝寺と3人でご飯食べに行かない?」
「いく!」
「天宝寺は何食べたい?」
「私はねー、マリアちゃんが食べたいのを食べたいかな」
「じゃあ、お肉食べたい!」
つまり、、、焼肉か…。
マリアが食べ過ぎなければ問題ないだろう。
そう思い、俺達は焼肉屋へと向かった。
俺は前にもこの光景に見覚えがある。
前にも同じようなことがあったのだ。
死屍累々と並べられた皿の山。
あの細い体のどこに大量のお肉は消えていくのか…。
誤算だった。
完全に忘れていた。
天宝寺が黙々と皿の城を1人で築いていた。
「お肉美味しいね…っ!」
マリアは自分のペースでにこにこしながら食べ進めていた。
その笑顔を見ているだけでお腹がいっぱいだった。
「うんうん。マリアはどのお肉が一番好き?」
「えーっとね、私はこれかな?」
マリアが箸で掴んだのは塩タンだった。
軽く炙って口に運んでいた。
「それレモンかけると美味しいよ。」
「レモン…?レモンって酸っぱいよね?大丈夫?」
俺は皿に乗っていたレモンを軽く絞って塩タンにかけてやった。
「とりあえず食べてみてよ」
「はぅ…おいしい……」
マリアはとろけるような笑顔をしていた。
「もっと食べていいからね」
「えへへ。幸せ」
その一言で俺も幸せだった。
幸せそうにしていたマリアが店員に声をかけていた。
「塩タン5人前追加で!」
…………幸せだった。
天宝寺は自分の分は自分で払うと言っていたのだが、男としてそれはどうかと思ったのでまとめて俺が払うことにした。
「○万6000円になります~」
店員さんが笑顔でお会計をしてくれた。
当分焼肉はやめておこう…
俺は店の前で天宝寺と別れるとマリアと2人で夜道を歩いていた。
「ランキング戦どうしようかな……」
「ランキング戦ってなんのこと?」
地獄耳め…独り言が聞こえていたらしい。
俺は今回の中間試験での本当の目的を伝えた。
「ふーん、、ってことは本格的に戦うことになるの?」
「うんうん。あまり戦いには向いてないけどね」
「じゃあ、奈々ちゃんとも戦うんだ?」
俺はすっかり忘れていた。
「戦うしかないね」
「………そう」
不安を隠しきれないまま俺たちは家路についていた。




