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魔剣を売ったら来世で引きこもりにジョブチェンジできた件  作者: kinako
1章『引きこもりがやる気を見せるまで』
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ランキング戦>>>中間試験《4》

~中間試験開始の2日前~


今日も俺の家で天宝寺と俺は中間試験の対策を考えていた。


「うーん…やっぱり私の“能力”と成績だと真面目に勉強して50~60点が限界かなー…黒城くんは?なにか思いついた?」


「俺はもういくつか思い付いてるよ」


「えっ…すごいね!」


「80点止まりだけどね…。で、天宝寺はどうやって先生の“能力”には対処するの?」


「去年は私の夢の中に先生を誘い込んだよ」


「先生って茜先生?」


「ううん。別の先生だったよ。“能力”の詳細は知らないけど、夢の中だと私の方がほんの少しだけ優位に立てるから、出来るだけ時間稼いで、先生閉じ込めたの。そのうちに問題解いてたんだけどね。先生、自力で出てきちゃった」


「自力で出れるの?」


「うん。私が夢に飛び込んでいない間は、意識が体の方に少しだけ引っ張られるみたい。夢の体感時間が、現実世界の7倍だからね。結構な時間稼ぎはしたつもりだったけど、案外早く出てきてたよ。」


「じゃあ、その作戦だと高得点を狙うには難しいね…」


「普通は自力でなんて出れないけどね。空間の歪みを作るほどの力を加えない限り」


「…」


つまり、茜先生もそれほどの化け物と考えた方がいいか…


化け物のような能力者の妨害を止めながら問題を解くなんて不可能に等しい。


81点以上…20位以内…


お金が欲しい俺にとっては魅力的過ぎた。


諦める訳にはいかない…


そんな時、金色の癖毛が視界に入ってきた


癖毛がぴょんぴょんしている…


マリアだった。


「ねえねえ、2人ともそんなに悩んでどうしたの?」


マリアは心配そうに俺たちの顔を覗き込んできた。


俺たちは中間試験の内容について説明した。


すると、マリアは当然のように言い放った。


「じゃあ、2人で協力したらいいんじゃない?」


2人で協力…?


協力ならしている。


2人で知恵を出し合ってお互いに80点を取ろうと…


ん?


知恵を絞っているだけで協力はしていないんじゃないか…?


つまり、協力するということは……


俺は2人で高得点を取るための最善の策を思い浮かべた。


よし、これならいける。


満点も夢じゃない。


だけどそれには天宝寺に俺を信じてもらう必要がある。


「天宝寺、協力してくれないかな?」


「もちろん。なんでもするよ!」


即答だった。


信じてもらうも何も既に友達なのだ。


むしろ信じてないのは俺の方ではないのか…?


それなら、この試験で俺達はお互いに信じ合っていると自分自身に証明してみせる。


「天宝寺、俺を夢の世界に連れてって勉強をさせてもらえないかな?」


「…夢の世界で?」


「うん。夢の世界で勉強して、その知識自体を俺の無意識下に落とし込む。あと2日あるから14日間勉強できる。」


「でもそれだと、実際には問題が解けないんじゃ…。それに夢の中の記憶は消えちゃうよ?」


「違うよ天宝寺。俺が解くんじゃなくて俺の無意識が解くんだよ。」


「…あっ!それって私がこの前黒城くんにやった…?」


「うんうん。あの時は歩かせただけだったけどね。今回は俺の無意識下に無理矢理知識を詰め込んで、問題を解かせる。これなら先生がどんな妨害してきても関係ない。だから、生半可なやり方じゃダメだ。拷問のようにしないと…」


「もしかして黒城くん…」


「そうだよ。満点を狙う。それは譲れない。」


「なんでそこまでするの…?」


「お金…かな?」


俺はちらっと、寝転んでいるマリアの方を見た。


マリアは不思議そうに見つめ返してきたが、俺は天宝寺に視線を戻した。


「そっか。じゃあ、私も心を鬼にするね…!」


天宝寺は辛そうにしていたがこれだけは譲れない。


「あれ…?でもそれって黒城くんは点数取れても私がダメなんじゃ…」


「いや、俺が2枚とも書くから大丈夫だよ。」


「え!?」


「カンニング禁止なんて書いてなかったでしょ?」


「そ、そうだけど…」


「俺の予想だと、場所の制限は設けても、カンニング不可というのは絶対にしないと思うよ」


「…そういえば去年もそうだった。。。でもなんで、場所だけ制限あってカンニングはokなの?」


「先生の妨害っていうのはクラスの全員に及ぶようにするはず。だから、範囲は絞ってくる。もし仮に1人が抜け出したりしてそれを先生が追いかけたりした場合、他の生徒がフリーになるからね。あと、この試験はカンニング前提の試験だと思うよ。理由は単純。“能力”が使用された時点で0点にすればいいのに、使用を認めた上で減点しているからね。学校側も“能力”の有用性を調べたいんじゃないかな」


「な、なるほど…」


一気に語りすぎてしまった。


反省せねば。


「試験中に能力は使えないから、試験開始5分前に俺に“能力”を使ってあの状態にしてほしい。」


「あの状態は正確には夢遊病って言うんだけどね。夢遊病になった人、ゾンビみたいにフラフラになるからあまり好きじゃないの。」


「…」


「と、とにかく、今から勉強しよ。私もついてくね」


「いや、いいよ。一人でやるから」


「…どうして?」


「生半可じゃダメなんだ。トラウマになるほど俺の無意識に刻まないと。きっと失敗する」


「………わかった。2日後、迎えに行くね」


「マリアのこと、頼むよ」


「安心して任せてね…っ!行ってらっしゃい!」


「行ってきます!」


話を聞いてるうちに寝てしまったのか。


すやすやと寝息を立てているマリアを見つめながら、深い夢へと落ちていった。

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