ランキング戦>>>中間試験《1》
「みんな~。そろそろ中間試験が始まるから勉強していこうね~。あと、中間試験が終わったらランキング戦もあるから覚えていてね~」
茜先生は恐ろしい言葉を教卓の前で発していた。
中間試験…
俺が編入して一ヶ月と少し。
もうそんな時期か。
勉強自体は嫌いではないのだが、試験前特有の緊張感のある空気が嫌いなのだ。
隣では天宝寺が岩のように固まっていた。
「天宝寺…おーい。」
「はっ…。な、なにかな?」
「いや、意識飛んでたからさ…」
「べ、別に勉強が苦手とかじゃないんだからね…っ!」
苦手じゃないと言いつつも目が死んでいる…
それにこれは所謂ツンデレというやつか?
デレはないが。
そうだ、あれをやろう。
「もしよかったら俺の家で一緒に勉強しない?」
「いいの…?」
「うん。猫達も会いたがってると思うしさ。」
「いくいく!」
「じゃあ、今日の放課後から一緒に勉強しよう」
俺はこれから家に天宝寺が来ると思うと妙に落ち着かなかった。
「ただいまー」
「ミカくんおかえりっ!」
家に帰るやいなやマリアが抱きついてきた。
「…」
それを見た天宝寺は唖然としていた。
「黒城くん達はいつもこんなことしてるの…?」
「…普通じゃない?」
俺は何をそんなに驚いているのかが分からなかった。
「マリアちゃん。今日から少しの間だけど黒城くんに勉強教えてもらうからお邪魔させてもらうね。」
「…勉強苦手なの?」
「苦手じゃないよ…」
マリアは天宝寺の顔をじーっと見つめている。
「ほんとに?」
「ほ、ほんとよ!」
「……ふーん…」
マリアはニヤニヤしながら天宝寺を見ていた。
天宝寺…墓穴を掘ったな。
俺は同情するしかなかった。
「もうすぐ中間試験だからさ、2人で勉強した方が効率いいでしょ?」
俺は助け舟を出した。
「そう言われてみればそうね。じゃあ、特別に私とミカくんの愛の巣に入れてあげるね。」
「…」
天宝寺がまた唖然としていたので一応否定しておいた。
「愛の巣じゃないから大丈夫だよ。」
一応ね。
それでも相変わらずマリアはニヤニヤしている。
俺の心でも読めるのだろうか?
ここで立ち話を続けるのもなんなので、天宝寺を俺の部屋へと通した。
部屋に入ると猫達がベットの上で丸まって寝ていた。
「ねえねえ、黒城くんとマリアちゃんの関係ってなんなの?」
天宝寺は俺に聞いてきた。
「うーん…」
俺は何と言えばいいかわからずマリアに目配せをした。
「……なにかって聞かれると言いにくいんだけどね、はっきり言えることがあるよ」
「あっ、それなら俺も言えるかも」
「じゃあ、せーので言うよ。せーのっ」
「「家族!」」
それを聞いて俺は、マリアが俺と同じ気持ちでいてくれていることが分かって嬉しかった。
天宝寺は一瞬驚いたような顔をしたが、すぐに笑顔になった。
「そっか。じゃあ、チャンスはあるんだね…っ!」
俺はなんのチャンスかはわからなかったがマリアにはわかったらしい。
「チャンスなんて与えないからね…?」
妙に対抗意識を燃やしていた。
そんなことよりも…
「あの…そろそろ勉強始めたいんだけど、、、」
俺はこっちの方が心配だった。




