部活>>>生徒会《終》
放課後、俺は天宝寺と一緒に近くの公園まで来ていた。
「それで、悩み事っていうのは?」
「今から見せるから。ちょっと待ってね。」
そう言うと、天宝寺はベンチの裏側に手を伸ばした。
にゃー…にゃー…
声が聞こえた。
猫の声だ。
天宝寺の両手にはダンボール箱が抱えられていた。
そして、その中では幼い二匹の猫がじゃれあっていた。
「この猫ちゃん達ここに捨てられてたの。だから、毎日餌だけでもって思って…」
確かに、2匹ともじゃれあってはいるが酷く痩せている。
「つまり、天宝寺はこの猫達の新しい飼い主を探したいってことかな?」
「うん。私の家は両親が忙しくてなかなかタイミングが合わなくて。だから、飼っていいか聞く暇がないの。」
「電話は?」
「繋がらなかったよ」
「うーーん。じゃあ、新しい飼い主を探すしかないね。」
とりあえず、この日は餌だけ与えて解散となった。
翌日の放課後、俺と天宝寺の新しい飼い主探しが始まった。
ポスターを大量に作成して俺と天宝寺は手分けして街に貼っていった。
こういう時に俺の“能力”は便利だ。
……もはや最近は全く役に立ってない気もするが。
『飼い主募集中!』と俺の電話番号が書かかれてあり、真ん中には可愛い2匹の猫の写真が貼ってある。
個人情報だだ漏れなのだが、猫達の生活の方が今は大切だ。
写真を見ていると、確かに可愛いが痩せ細っているのが伝わってくる。
きっと誰か電話してきてくれる。
そう思い、俺達は連絡を待っていた。
「…連絡こないねー」
天宝寺は机に突っ伏してしょんぼりしていた。
心無しか今日は食べる量が少ない気がした…多分。
仕方ない。
あまり頼りたくはなかったが…
俺は生徒会長にLIMEを送った。
『あら?貴方からLIMEなんて珍しいわね。』
返信が早すぎて驚いていた。
暇なのか…?
『二匹の猫の新しく飼い主になってくれる人を探しているのですが、探すのに協力していただけませんか?』
『私にどうして欲しいのかしら?』
『有難い生徒会長様の校内放送で飼い主募集を宣伝して欲しいです』
『もちろん見返りはあるのかしら?』
やっぱりそうきたか…
『生徒会に入ります』
『その件に関しては、天龍が勝手に言っていただけよ。でも、そうね。貴方が生徒会に入るのも面白いかもしれないわね。』
『ちなみに部活にも入る予定なので週5休みください』
『それって全休じゃないかしら!?』
『というわけで、よろしくお願いします』
俺のスマホが鳴り続けていたが、終始無視した。
数分後に校内放送が行われた。
生徒会長さん優しい。
『皆様ご機嫌よう。生徒会長の天童雪です。今、捨て猫の新しい飼い主を募集してますの。我こそは、という方が居られましたら是非こちらまでお電話くださいませ。×××-××××-××××』
俺は血の気がサーッと引いていくのがわかった。
あれ…俺の電話番号だよね…?
ポスター見て全部知ってた上でのあの茶番。
一杯食わされた。
「くそおおおおおおおおおおおお」
教室で突然叫び出した俺に対して天宝寺が驚いていた。
「今の校内放送の電話番号って黒城くんのだよね…?」
はっ…とした表情を浮かべると色々と察したみたいだった。
「ごめんね黒城くん」
「いやいや、いいんだよ。猫達のためだからさ。」
しかし、俺の電話が鳴ることはあれど、二匹と聞くと誰しもが断っていった。
これは…詰んだか。
その時だった。
「黒城。話は生徒会長から聞いたぜぇ。二匹の子猫なんだってなぁ!俺が飼ってやるよ!」
突然ウリが全速力で俺の目の前に現れた。
生徒会室にでも行ってたのか…?
「あっ、お断りします」
根は良い奴かもしれないがイメージに合わない。
むしろ断るのはそれだけの理由だ。
それくらいなら俺が飼った方がマシ…
ん?
なんで今までこの発想が出てこなかったんだ?
俺は家での光景を思い出していた。
ごろごろーごろごろー
もぐもぐもぐもぐ
既に1匹いた…
よし、二匹くらい増えても問題ないだろう。
色々と反論しているウリを放っておいて、俺は天宝寺に自分が飼う旨を伝えた。
にゃー…にゃー…
「にゃーにゃー!」
これは3匹にしか見えない。
俺は家に帰ると早速マリアに猫を飼うことを伝えた。
マリアは喜んでいたが、俺はキャットフードや首輪等必要な物を買いに行かねばと頭がいっぱいだった。
「まず一緒にお風呂入るにゃー」
マリアは猫2匹を抱えながらお風呂に特攻して行った。
次の休みの日にマリアと必要な物を買い揃えよう。
そう決めると、俺は次の休みが楽しみになっていた。




