部活>>>生徒会《3》
「よう黒城」
俺は登校した途端声をかけられ、表情で不快感を示した。
「おはようモブ。どうしたの…?」
「モブじゃねぇよ。昨日ちゃんと名前言ったろ!まさか、、、忘れたのか?」
「………うん」
「わざとだろ!?わざとなんだよな!?」
これ以上からかうと面倒なことになりそうなので俺は昨日のことを思い出していた。
「確か、名前は…真貝乃 瓜」
「おう。ウリだ。モブじゃねえよ。」
「大差ないね…。で、何か用件でも?」
「喧嘩売ってんのか…?昨日の仲間に入れて欲しいっていう件なんだが、信用されるためには何したらいいかって考えてなぁ。持ってきたぜ。」
ウリはそう言うとカバンの中からファイルを取り出した。
「ほら、この学園で判明している限りの能力者リストだ」
素直にこれは有難い。
これだけでも手を組むだけの価値はある。
待てよ…?
「なんでこれだけの人数の“能力”を個人で把握することが出来てるの?」
「俺のダチに能力探知系の能力者がいるんだよ。そいつに教えて貰った。」
ん…?おかしい。ダチがいるなら俺たちに近づいてくる理由がない。
この時点で、こいつが1人ではなく2人以上で動いていることが確定した。
仮に、もしこいつの独断ならそれはそれでまずくはないか?
「その友人に是非御礼がしたいんだけどダメかな?」
「…すまねぇ。これを渡された時一人で行くように口酸っぱく言われたんだ。会わせるわけにはいかねぇよ。」
「じゃあ、今度でいいから是非お礼に伺いたいね。」
「わかった。伝えておいてやるよ」
「で?このリストの見返りは?」
「仲間に入れてくれ」
「違う。そうじゃない。仲間に入りたい理由を聞いているんだ」
「俺はランキング戦でもっと強い奴と戦いてぇ…。だがな、俺は強い奴と競い合ったりもしてぇんだ。黒城はそれに見合うだけの力がある。だから俺はてめえに声掛けたんだ。」
「仲間に入れてくれって言ったのは俺たちにじゃなくて、俺個人。つまり、特訓相手になれと?」
「おう」
「断る」
「は?」
「そもそも俺そんなに強くないし…人違いしてるんじゃないかな?」
「てめぇ…あの力のこと隠そうとしてんのか?」
「あの…力…?」
あの力と言われても心当たりはなかった。
“能力”の事だろうか…?
能力者を探せる奴があっち側にいるなら、“能力”はある程度バレていると考えた方がいい。
「はいはい。すとーっぷ」
目の前に中学生程に見える少年が突然現れた。
今どこから来た…?
いや、それよりも…。
「…誰?」
「僕かい?僕は“生徒会書記”の天龍真琴これでも3年だよ。よろしくね。」
生徒会…!?
俺は天宝寺の言葉を思い出していた。
“個人能力至上主義”…こいつがこのぎこちない学園を作っている奴らの1人。
大人しそうな見た目だが、油断してはいけない。
直感で俺は悟った。
「ねぇ、ウリくん。これは貸し一つだからね…?」
俺には何を言ったか聞こえなかったが、ウリに耳打ちしたようだった。
「いやー、実は君を生徒会に勧誘しようとしててね。ウリくんが君のことどんな人物か確認したくて居てもたってもいられないって言い始めて、1人で暴走しちゃったんだよ。あのリストは生徒会の僕が作ったんだけど、もしよかったら君にあげるね」
生徒会…。。
ということは、ウリと天龍先輩はグルでウリも生徒会のメンバー…?
さっきのウリの仲間になりたい理由は嘘か?
違和感があったが取り敢えずリストはありがたく受け取っておくことにした。
「ウリくん帰るよー」
「うるせぇ。貸しだなんて思ってねえからな」
その日俺は、この時のことが頭から離れずに悶々としながら1日を過ごした。




