部活>>>生徒会《2》
椅子に腰掛けた金髪ロングの美女は悩ましそうに頭を抑えていた。
その両側には二人の男が立っている。
1人は容姿的には中学生に見えなくもない少年だ。
もう1人は筋肉質で体つきがよく表情が顔に出ていない。
そして机を挟んで向かい側には、まるで裁判にでもかけられているような面持ちで男が座っていた。
「勝手な行動はしないでほしいわね…もしあなたが迂闊な行動をとってたら私達の目的がバレていたかもしれないのよ?」
向かい側の男が口を開く。
「それはあいつのこと買い被りすぎじゃねえか?あいつの“能力”も未だに謎のままだからなぁ。流石に俺も手は出さねえよ。」
「まあ、僕は知ってるけどね~。彼の“能力”」
女の隣に立っていた少年が愉快そうに言った。
「教えて欲しい?教えて欲しい?」
男は舌打ちをしたが少年は気にする様子もなく煽り続けていた。
「そこまでにしときなさい。彼は間違いなく買い被りすぎるほどの力は持っている。万全を期すに越したことは無いわ。」
「へぇ、あんたがそこまでビビるほどの力かよ…」
「そうね…彼の力は“能力”だけじゃないわ。“能力”の絶対的な力なら私の方が上だもの。」
「じゃあ何にそんなにビビってんだ?」
「先代勇者の聖剣…って聞いたことある?」
女を除く全員が凍りついた表情を浮かべた。
「あれは魔王様…いや、魔王の魔剣と共に壊れたって、あんた言ってなかったか?」
「えぇ…私もそう聞かされていたわ。でもね、私の妹の神聖力が近くに感じがしたのよ。」
「妹ねぇ…あんたの妹には興味はないが聖剣には興味あるなぁ。まあ、拾ってもらった恩だ。それなりの仕事はするさ。ゆっくり茶でも飲んで待ってな…“第1位”」
「行ってらっしゃーい」
少年が最後の煽りと言わんばかりに手を振っていた。
「うるせぇ…っ!」
男は少年に腹パンを決めて男は部屋から出ていった。
そしてその少年は苦しむ様子もなく…
笑顔のままだった。
家に帰るとそこは地獄絵図だった。
俺はちゃんと家に大人しくいろと言ったはずだ。
これのどこが大人しい…?
洗濯機からは泡が吹き出し、台所はフライパンの上に炭が転がっていた。
火を消そうとして水をかけたのか…?
火事にならなくて良かった…
しかし、台所そのものが水浸しだ。
俺はこの大惨事の元凶である金髪美少女を睨みつけていた。
「家に大人しくいたらなんでこうなったのかな…っ!?」
今にも血管が破裂しそうだった。
俺自身、キレやすい若者というわけでは全くないのだが、今回に関してはお咎めなしといわけにもいかないだろう。
「だって…帰ってきた時にご飯とお風呂あったら、喜んでもらえるかなって…」
美少女は涙目で俺を見つめてきた。
うっ…なんだ、俺が悪いことをしているようなこの気持ちは…。
許してしまいそうだったが心を鬼にして叱る。
「気持ちは凄く嬉しいけど、これだと俺のやることが増えるだけだよ…」
その少女は、はっ…とした表情をしたと思ったら、すぐに悲しそうな顔になった。
うっ…仕方ない…
「少しずつ出来るようになっていこう。俺も協力するからさ。」
すると突然笑顔を向け、余程嬉しかったのか抱きついて頬を擦りつけてきた。
「えへへ。ありがとう…チュッ」
俺は子供にちゅーをされて喜ぶ趣味なんてない。
ないはずなのだが…
笑顔が眩しすぎて直視出来なかった。
ここは天国か…
いや、地獄だった。
我に帰った俺は、2人で片付けを始めた。




