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第5話 直属任務

今日もいい天気だ。

体はもう大丈夫だとは思う。

なんだか、もうお外に呼ばれてる気がする。

ウズウズして翼で飛びたくなってるんだ。


そのとき、悪魔の道具が震えた。


「あ、指令かな?」


> ――お前に人を送る。

> ――スキル報告! 活動報告! 待ってるぞ!


続けて、もう一つ。


> ――報告はこうやって内容をまとめて返せ。

> ――街の外で合流だ。


なるほど。

やっぱりテレッツ様、僕のカッコいい報告をもっと聞きたいんだな。

よし、頑張らなきゃ!


「人を送る」ってことは……部下だよね?

どんな子なんだろう。

僕に部下を送るなんて、評価されまくりじゃないか。


朝から、なんていい日だ。



街の外で合流って言われても、場所までは分からない。

だから、とりあえず街を出て、空を飛んで探すことにした。


最初に通った入り口へ向かうと――いた。


コールさんと、知らないやつ。


一瞬、コールさんと目が合った。

でも、すぐに眉間に皺を寄せられて、近づくなって合図された。


……あれ?

前はもっと優しかったのに。今日は怖い。


その隣にいる知らないやつは、なぜか少し安心した顔をしている。

舐められてるのかな?

僕って、そんなに頼りなさそうに見えるのかな?



少しして、コールさんが改めて紹介してくれた。

いつもの丁寧な声だ。


……さっきのは勘違いだったのかな。ほっとした。


隣のやつをよく見る。

体格はいい。かなり強そうだ。


名前は、カゲアリ=インゲン。十五歳。

小さい頃からいろいろ苦労したらしい。

難しくて、正直よく分からなかったけど。


回復は闇属性で、人間社会ではあまり喜ばれない。

それだけは分かった。


でも――なんか暗い。

体は大きいのに、弱そうに見えてくる。


「僕の部下なら、明るくなって! 強くなれ!」


そう思ったから、言った。


「今日から君は、みんなの元気の源だ。

 だから名前は――カゲイン。元気出そうだろ?」

「……カゲイン……。分かりましたデス」

よし、気に入ったみたいだ。

一緒にいるなら、楽しい方がいい。


名前は偉い人が決めるものだ。

僕も魔王様に名前と愛称をもらった。

だから、これは正しい。エッヘン。


カゲインは、偉そうな人を見る目で僕を見てくれている。

いいやつだな。



話が終わったと思ったら、コールさんが離れると言い出した。


早くない?

急に調べたいことができたらしい。


少し距離を取られたのが気になったけど、理由があるなら仕方ない。


部下を任されるなんて、本当に嬉しい。

羽を出して、空を飛びたいくらいだ。



カゲインが言う。

テレッツ様から、冒険者登録をしてクエストに行けと言われている、と。


この間、もう登録はしたけど……

今日はついていって、教えてあげることにした。


え、やり方知ってるの?

偉い人“っぽく”するのって、意外と難しいんだな。


じゃあ、宿に戻って報告だ!


> コールさん、カゲインと合流!

> 上司として愛称つけました!

> お金、稼ぎます!


今日は、テレッツ様の僕への評価も確認できた。

うん、満足だ!



――その頃のテレッツ。


執務室の窓辺で、夜空に向かって叫んでいた。


「お・れ・が……知りたいのは!

 なぜ死にそうだったのかとか!

 なぜ助けて欲しかったのかとか!

 そこを報告して欲しいのだーーー!」


流星雨のような光が、誰にも見られず、ひっそりと流れていった。

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