25 裏切り者
敵の顔をじっと見つめるグラスとタコ松。
タコ松が低く呟く。
「お前、どこかで見た顔だな…」
グラスは険しい表情で答えた。
「神山組の若頭、蛭田の部下だ」
「なんだって!」
グラスは拳銃をしまいながら冷静に言った。
「理由を聞き出す必要がある」
場面は神山組の事務所。
組長が撃たれて以来、若頭の蛭田が組を取り仕切っていた。
蛭田は会議室に幹部たちを集め、毅然とした口調で語る。
「組長が撃たれ、皆不安だろうが落ち着け。俺が必ず犯人を見つけ出す!」
幹部たちは拍手を送る。
「さすがだ、若頭!」
「この状況でも動じないとは!」
その時、会議室の扉が勢いよく開く。
グラスが鋭い声で叫んだ。
「犯人探し?笑わせるな。お前が犯人だろうが!」
蛭田の顔が一瞬、引きつる。
「な、何を言っている!」
幹部たちはざわつき、騒然となる。
「おい、どういうことだ?」
グラスは縄で縛られた二人の男を前に押し出した。
「俺たちはこいつらに襲われた。蛭田の部下にな」
タコ松も前に出て言う。
「尋問したら、蛭田から命令を受けたって白状したぜ。殺し屋に組長の暗殺依頼を出したこともな」
幹部の一人が眉をひそめる。
「本当ですか?若頭…」
蛭田は声を荒げた。
「そんな嘘を信じるのか!証拠がないだろ!」
グラスはさらに別の男を連れてくる。
「こいつが組長を撃った殺し屋だ」
殺し屋は冷ややかに言った。
「俺は蛭田から依頼を受けて組長を狙った」
グラスはポケットから一枚の書類を取り出す。
「これが顧客名簿だ。お前の名前がはっきり載っている」
幹部たちは怒りを抑えきれず声を荒げる。
「蛭田!お前は裏切り者だ!」
蛭田は怒りの表情を見せ殺し屋を見る。
「貴様!暗殺に失敗しただけでなく俺のこともバラすとは!許さんぞ!お前らもだ!」
次に部下の二人を見る。
蛭田は幹部に取り押さえられどこかに連れて行かれた。
その後、組長は意識を取り戻し蛭田を破門にした。
組長は破門だけで許したが幹部は蛭田を許さず蛭田を暗殺したらしい。




